263: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/22(日) 08:41:39.36 ID:YcDGP+Tn0
【あるセレブとプロデューサーの話・2】
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いつ頃から、とハッキリ意識していたワケじゃない。
けれども最近のプロデューサーは、以前よりデキる人になったと千鶴には感じられるのだった。
なにより謝罪の回数が目に見えて減った。
「すみません」と謝るよりも「任せてください」と胸を張る方が多くなった。
それに伴って千鶴の仕事も増えている。
進む道のりは順風満帆、何一つ不安がる理由は無いはずなのに、なのに、彼女の心は落ち着かない。
「プロデューサー。最近は忙しすぎるんじゃありませんこと?」
現場から現場への移動時間。
千鶴は男の運転する社用車の助手席で揺られながら、ポツリと呟くように尋ねてみた。
「お仕事が順調なのはわたくしも喜ばしいですけど、最近の貴方は顔色も少し優れませんし……」
「だから、俺が無理をしてるって言うんですか? 大丈夫です。むしろ調子はいいぐらいで」
「……本当に? そうは見えませんわ」
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