260: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/21(土) 08:44:12.53 ID:SE5eH/sS0
そしてその顔は、何を隠そう件の二階堂千鶴に酷似していた。
当然だろう。わざわざ彼女にそっくりな人形を選んだのだ。
いや、正確にはそうなるよう男がオーダーしたのだから。
今や技術の進歩は凄まじく、たった一枚の写真さえあれば精巧なヘッドをこしらえることは不可能じゃない。
そうやって作られた愛しい女性を模したドール。
一般には到底理解されない捻くれてしまった恋煩い。
しかし、だからといって彼の行いを人倫にもとると非難してしまっては可哀想だ。
なぜならこれは純愛の、ある種最も清らかな形であるかもしれないのだから。
正座した男は両膝に自分の拳を置き、人形の顔を真っ直ぐ見つめて決意の言葉を口にする。
「千鶴さん、俺、頑張ります。今以上にもっともっと。もっと、貴女を輝かせるためならなんだってやります」
さらには猫背を曲げて身を乗り出し、薄く笑って続けるのだ。
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