たまご粥
1- 20
5:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 22:58:52.98 ID:ZXrrsdaR0
携帯には、申し訳程度の心配が添付されたメールが何件か届いてはいるが、

誰も見舞いに来てくれない。

プロデューサーや他のアイドルは、今の夏樹のように、
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:00:30.36 ID:ZXrrsdaR0
その後夏樹が、半ば失神するような眠りに落ちていた頃、

玄関のチャイムが響いた。

通販でなにか頼んだっけ……。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:01:20.24 ID:ZXrrsdaR0
「なんで…」

「住所なら、アンタのプロデューサーに教えてもらった」

そうじゃなくて、と言いかけた夏樹の身体が、床にくずれおちた。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:02:25.55 ID:ZXrrsdaR0
拓海は台所と冷蔵庫の中身を見回して、言った。

「ろくなもの食ってないみたいだな…」

拓海はシンクの前で、てきぱきと料理の準備を始めた。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:04:07.03 ID:ZXrrsdaR0
「待たせたな」

拓海はスプーンと湯気をたてる皿と持って、ベッドの脇に腰掛けた。

夏樹はまぶしげに目を細めた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:06:12.81 ID:ZXrrsdaR0
鶏肉からでた旨味が、舌に沁みわたる。

ふわふわのたまごが腫れたのどを癒す。

おいしい、と伝えるまえに、夏樹の頰にひとすじのしずくが流れた。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:08:47.22 ID:ZXrrsdaR0
見ず知らず、というわけではないが、

自分と拓海には「同じ事務所である」という以外に大きな接点はないはず。

けれども、拓海の見方はちがっていた。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:10:57.44 ID:ZXrrsdaR0
「あー…でも」

拓海は頰をかいて、言葉を続けた。

「アタシにとっては、アンタが恩人だってのもあるかな」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:13:51.23 ID:ZXrrsdaR0
「“アイドルなんてチャラついたもん、興味ねえよ”、が口癖だった。

でも今考えてみっと、他に進める道なんて無かったんだよな。

喧嘩ばっかして学も無えし、やりたい仕事も、特別な夢もなかった。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:27:03.23 ID:ZXrrsdaR0
「いつだったかな…アンタがライブに出てるトコを生で見たんだ」

拓海が、やわらかな笑みを浮かべた。

それを見た時、夏樹の心はじくじくと痛んだ。
以下略 AAS



25Res/9.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice