8:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:02:25.55 ID:ZXrrsdaR0
拓海は台所と冷蔵庫の中身を見回して、言った。
「ろくなもの食ってないみたいだな…」
拓海はシンクの前で、てきぱきと料理の準備を始めた。
なぜ拓海がここまでしてくれるのか。
夏樹は戸惑った。
けれどもそれ以上に、言葉にならない、
あたたかい気持ちが胸につかえた。
お米をとぐ音。
まな板に包丁が当たる、トントントンという音。
それをベッドから聞いているだけで、涙が出そうになった。
ふつふつと鍋が揺れている。
拓海はどうやら、粥を作っているらしい。
夏樹の母親がそうしてくれたように。
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