25: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:02:27.20 ID:EHwrceLI0
本日は休みなので、きらりちゃんとお出かけをすることに。一緒にいたらなんかの拍子に元に戻るかもしれないしね。
うーん、それにしても服が多い!話によると自作の物も多いそうだ。これは私のセンスが問われているといっても過言では無い。きらりちゃんを驚かせて見せる!
待ち合わせ場所に、私の顔をしたオシャレ女子が立っていた。スカートやジャケット、どれもこれも見覚えはある、私の私物だし。
それなのに、私ではきっとあのコーデには辿り着けないだろうと確信出来る。私が方言の矯正の為にラジオに噛り付いていた時間もきらりちゃんはオシャレを学んでいたのだろう。
26: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:03:51.53 ID:EHwrceLI0
駅に着き、改札を通って電車を待つ。ここまではいつもと変わらなかったが、乗車の時に文字通り衝撃を受けた。なんと、ドアの上部に頭をぶつけてしまったのだ。
「あ痛たたたた……」
「忍ちゃん、大丈夫かにぃ?」
27: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:05:34.26 ID:EHwrceLI0
特に目的もなく繁華街をきらりちゃんとぶらつく。決して特別なことをしている訳ではないのに、視点が30cm変わるだけでこんなにも世界は違って見えるのか……。羨ましいなぁ。
「あのー、諸星きらりちゃんですよね?」
私が風景を楽しんでいると、小柄な女の子から声をかけられた。そうか、今の私は諸星きらりの外見だった。
28: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:07:23.84 ID:EHwrceLI0
……果たして、それで平気なのだろうか?
男の人なら180cmあっても珍しくはあっても全くいない訳じゃない。が、女の人だとどうだ。
先ほどあの失礼な連中の口から出た、楓さんや木場さんのように170cmでもかなり目立つのに、きらりちゃんのように186cmもあったらどうだ。
29: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:08:30.29 ID:EHwrceLI0
「きらりね、ちっちゃい頃から周りの子より大きかったんだ……」
そこから、ぽつりぽつりときらりちゃんは自分の事を語ってくれた。
人と違う、ということがどれだけ周りの人間を残酷にさせるのか、聞いていて怖くなった。
30: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:09:35.08 ID:EHwrceLI0
工藤忍、青森出身の16歳。身長154cm、スリーサイズは上から78-54-81。
決して周囲の目を引くような容姿ではない。だからどうした。私は私だ。
周りに埋もれてしまうなら、自分の足で1歩踏み出せばいい。私は今までだってそうしてきた。
1歩で足りないなら10、100、1000歩だって踏み出してみせる。
31: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:12:55.17 ID:EHwrceLI0
以上です。書かせていただきありがとうございました。
それでは失礼します。
32: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/08/29(火) 15:47:19.34 ID:a/BNsWng0
『影』
33: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/08/29(火) 15:48:19.67 ID:a/BNsWng0
時刻は夜の11時半、そろそろ寝ようかと思い、明かりを落とそうとしたときだった。私は視界になにか、わずかな違和感を覚え、電灯のスイッチに伸ばした手を止めた。
きょろきょろと辺りを見回す。私の部屋だ。とても散らかっている、つまりいつも通りの私の部屋だ。
「うーん?」
34: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/08/29(火) 15:49:37.64 ID:a/BNsWng0
――翌日
「杏ちゃん、夕美さん連れてきたにぃ」
「杏ちゃんおはよっ。影のこと、朝気付いてびっくりしちゃったよ」
35: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/08/29(火) 15:51:12.46 ID:a/BNsWng0
きらりと夕美さんのふたりと別れ、何度か凛ちゃんとメールのやりとりをする。
凛ちゃんは宣材写真の更新をするために事務所内のスタジオで撮影をしているらしい。
私についてるコレは凛ちゃんのじゃないけど、一応行ってみようかな。
「杏! 私の影は!?」
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