29: ◆oCJZGVXoGI[sage]
2017/08/28(月) 07:08:30.29 ID:EHwrceLI0
「きらりね、ちっちゃい頃から周りの子より大きかったんだ……」
そこから、ぽつりぽつりときらりちゃんは自分の事を語ってくれた。
人と違う、ということがどれだけ周りの人間を残酷にさせるのか、聞いていて怖くなった。
私は良い面だけを見て羨ましいと思ったことが心底恥ずかしくなった。そしてそれは彼女だけに限った話ではない。
私が羨ましいと感じたものを持っていても、きっとそこには本人しか分からない苦労があるのだ。
事務所に着き、気分を落ち着けてから諸星家へ戻った。きらりちゃんのベッドへ倒れこみ、考える。
どうして私は彼女と入れ替わったのか、元に戻る方法はあるのか・・・。あれこ考えているうちに私は眠りに落ちた。
目を開けると、見慣れた天井がそこにあった。身体を起こして周りを見ると、これまた見慣れた寮の自室だった。
鏡で顔を確認しても、それは工藤忍のそれだった。
果たしてあれは夢だったのか?いや、あの周りを見下ろした時の何とも言えぬ感覚と、受けた視線の恐怖が夢だったとは思えない。
事実、きらりちゃんやプロデューサーに確認を取ると私たちは確かに入れ替わっていた。果たしてあれはなんだったのだろうか。
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