98:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 00:56:55.23 ID:dZyp/T120
「…………」
言われた通り、机の上に置きます。
「ありがとう。それから……あぁ、ごめんね。2つじゃなくて3つだったね」
99:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 00:59:25.92 ID:dZyp/T120
この間――たぶん、お花が好きだと語った時の、あのことを言っているのかと直感しました。
「どうぞ」
「えへへ……ありがとう」
100:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:04:17.08 ID:dZyp/T120
「上っ面?」
私には、夕美さんの言うことが、よく分かりません。
「花を生かすために、私は何度も選択をしなくちゃいけないんだ」
101:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:07:20.86 ID:dZyp/T120
「仕方が無いことです」
「そう言って、簡単に片付けられればいいんだけどね」
夕美さんは、笑いました――やはりそれは、初めて見る笑顔です。
102:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:10:23.08 ID:dZyp/T120
「……ッ!」
「奇遇だね……私、ずっと似てるなぁって思ってた。
アイドルも、こんな感じなんだろうなぁって、それがさ……その植木鉢、ステージそっくりに見えてさ。
私がずっと直面して、思い描いてきた世界、そっくり」
103:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:12:38.84 ID:dZyp/T120
「だって、選択をしたら、それを大切にしなくちゃって、思えるから」
ちょっと俯いて、首を振って、また顔を上げます。
「省みたらいけないと思うの。捨てちゃった子達のことを省みたら、その子達が余計に可愛そう。
104:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:14:24.16 ID:dZyp/T120
「私は、肇ちゃんには、それを割ってほしくありません」
「……はい」
105:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:19:00.28 ID:dZyp/T120
「……夕美さんの、ために?」
夕美さんは、鼻を鳴らしました。なぜか、どこか得意げです。
「それを割るのも、割らないのも、肇ちゃんの自由だよ。
106:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:22:36.43 ID:dZyp/T120
「夕美さん……」
「自分で選ぶから、自分が一番それを大切に出来るんだって、思うから」
107:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:25:00.90 ID:dZyp/T120
「お誕生日、おめでとうございます、夕美さん」
「言うの遅くない? あはははっ!」
「ふふっ……」
108:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:27:41.71 ID:dZyp/T120
***
「……肇ちゃん? おーい、肇ちゃん」
「えっ?」
114Res/87.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20