105:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:19:00.28 ID:dZyp/T120
「……夕美さんの、ために?」
夕美さんは、鼻を鳴らしました。なぜか、どこか得意げです。
「それを割るのも、割らないのも、肇ちゃんの自由だよ。
どっちを選択したとしても、私はそれを尊重する。でも……」
「誰かのためとか……もちろん、誰かのせい、っていうのもダメ。
他の人の器に自分を嵌め込んでいったら、どんどん“肇ちゃん”じゃない、丸っこくて特徴の無い、普通の人になっちゃうと思う」
「器……」
「ううん、変なこと言ってるなぁ……でも、言いたいこと、きっとそういうことなの。
肇ちゃんは、誰にも媚びたり、阿るようなこともしない、しっかりした器?“肇ちゃん”っていう個を持っていて、私はそれが大好き」
「だから……」
大きく深呼吸をして、夕美さんは私の目を、もう一度見ます。
「肇ちゃんには、絶対に私や誰かのためじゃなく、自分のために選択をしてほしいの。
そして、その選択に誇りを持って。絶対、私だけは肇ちゃんの味方だし、何があってもその選択を尊重するよ。ねっ?」
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