「藤原肇がそれを割る日」
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103:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:12:38.84 ID:dZyp/T120
「だって、選択をしたら、それを大切にしなくちゃって、思えるから」

 ちょっと俯いて、首を振って、また顔を上げます。

「省みたらいけないと思うの。捨てちゃった子達のことを省みたら、その子達が余計に可愛そう。
 ……ううん、そんなの、言い訳でしかないし、私の勝手な思い込みだよ。でも……そう思うようにしてる」


 夕美さんは、後ろに組んでいた手を、胸の前で握りしめました。

「その子達を犠牲にした分、ちゃんと自分で選んだ子達は、しっかり咲かせてあげなくちゃって。
 綺麗に、輝かせてあげなくちゃって。そうでなきゃ、その子達を捨てた甲斐が無いもの!
 自分の身勝手な選択を、自分がちゃんと受け止めなきゃ、ダメだよって! 私、ずっと思うの」


「自分の選択を……自分だけは、肯定して、大切にして、しっかり生かさないとって……私、思うんだ」



「…………」

「……あっ、えへへ……ごめんね! 何が言いたいんだって話だよね!? よし、ごめんごめん!」

 顔をゴシゴシと拭いて、夕美さんはピシッと気をつけをしました。

「結論を言います!」



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