「藤原肇がそれを割る日」
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99:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 00:59:25.92 ID:dZyp/T120
 この間――たぶん、お花が好きだと語った時の、あのことを言っているのかと直感しました。

「どうぞ」

「えへへ……ありがとう」


「ガーデニングを、しててね? 私……んーと、さ。とにかく花が好きなの。それは、本当に」


 夕美さんは、手を後ろに組んで、下を向きました。

「色んな花があるんだけど、皆大好き。だって、皆生きてるから。精一杯、頑張ってるから。
 私も、そんな子達のために、お世話している時、あぁこの子達の生に寄与してるんだーって。
 この子達のために、私もいるんだーなんて。自分がすごく、素敵で優しい人になれたように思えて」

 その通りです、と言おうとした所で、夕美さんは言葉を切りました。

「でも……」


「そんなの、正しくないの。本当は、全然違うんだ……綺麗事の、上っ面なの」



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