206:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:33:55.41 ID:yoGsi3kr0
――と、その時だった。
机の上の簡易無線機がモールス信号を受信した。
これは…………救難信号ではないか!
207:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:34:41.07 ID:yoGsi3kr0
しかし、救難信号を受信している途中に、階下から悲鳴にもとれる五月雨の怒鳴り声が私の耳を突き刺した。
「だめええええええっっ!!! ぜったい、だめええええええっ!!!」
このタイミングで、明石中佐の懸念が的中してしまった……。最悪なタイミングだ。
208:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:35:32.45 ID:yoGsi3kr0
「司令、来たんですね。北上さんを止めてください」
「……北上との約束なんだろ?」
「……」
209:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:36:24.25 ID:yoGsi3kr0
「やっぱり、司令は私の味方じゃないんですね。大好きな妹さんの味方なんですね」
「そんなことない、五月雨の事も味方だ! 味方だから…………っ!」
私は必死の言葉でそう伝える。しかし、五月雨の焦点は後ろの妹にあっていた。
210:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:37:11.42 ID:yoGsi3kr0
「ごめんなさい。でも、私はこれだけは譲れません。これからも司令と北上さんと仲良くしたいから……。北上さんと司令にはこのことを分かってほしいです」
私はそう言われ何と返せばよいか戸惑った。
理由は分からないが五月雨もまた、明石中佐と同じように自分に心のバリアを二重三重に張っている。
211:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:38:05.25 ID:yoGsi3kr0
「――――豊後水道沖夜戦事件」
妹から発せられたその言葉に私は反射的に立ち止まる。な、なぜ妹がそのワードを!?
「五月雨ちゃん、その事件の生き残りなんだってね」
212:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:39:36.07 ID:yoGsi3kr0
「あの〜、北上さん、吹雪さんの指輪を借りたことと涼風に何の関係があるのかな?? あと、私のことを犯人にするのやめてください! 私はネックレスの事は知りませんから」
「……知らないフリをしないで! 私は五月雨ちゃんの事ぜんぶ聞いているの。五月雨ちゃんが部屋に入れてくれないことも何となく分かってるんだよ!」
語気を強めて問い詰める妹に、五月雨は黙る。
213:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:40:27.52 ID:yoGsi3kr0
「二カ月半前は八島にいるし、さっきから言ってますけど、私の妹は平群島泊地の所属なんですよ!! 変なこと吹聴されたんですよ。北上さんはっ!」
五月雨は紅潮して妹に反論する。妹はそれを聞いて小さくため息を吐いた。
「もう、妹の涼風ちゃんが今のを聞いたら悲しむよ? 私だって衝撃的だから、試合中は半信半疑でいたよ。で、試合後に涼風ちゃんの方から、さっきのこと色々教えたいなってラインのID教えてくれたの」
214:名無しNIPPER[sage]
2017/10/23(月) 10:18:12.31 ID:0rR/t9eDO
続きはよ
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