209:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:36:24.25 ID:yoGsi3kr0
「やっぱり、司令は私の味方じゃないんですね。大好きな妹さんの味方なんですね」
「そんなことない、五月雨の事も味方だ! 味方だから…………っ!」
私は必死の言葉でそう伝える。しかし、五月雨の焦点は後ろの妹にあっていた。
「……ッ! 五月雨ちゃん、なんで知っているの!?」
後ろを振り返ると、妹は驚愕な表情をしていた。そうだった。関係がばれている事を妹はまだ知らなかった。
「北上、五月雨には私らの関係はばれている……」
私の言葉に妹は「そっか」と一言納得した返事をした。
「――私たちは確かにこの泊地では家族みたいな存在です。司令も北上さんもここでは大事な家族と思っています。でも、やっぱり公私の分別をつけることは大切です。そして、それの境界線を私はこの部屋に引くべきだと思います」
五月雨は開き直ったような口調で、私と妹に対してそう意思を示した。
ただ、彼女の言葉には矛盾があった。五月雨は北上の部屋によく泊まっているし、つい昨日も一緒に私の部屋で仲良く寝たばかりであるからだ。
「五月雨、嘘を吐かないでくれ。五月雨はそんなこと考えない!」
「…………」
図星だったようだ。思わず私はため息を吐いてしまう。それを見た五月雨は申し訳ないような面立ちをして頭を下げる。
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