207:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:34:41.07 ID:yoGsi3kr0
しかし、救難信号を受信している途中に、階下から悲鳴にもとれる五月雨の怒鳴り声が私の耳を突き刺した。
「だめええええええっっ!!! ぜったい、だめええええええっ!!!」
このタイミングで、明石中佐の懸念が的中してしまった……。最悪なタイミングだ。
一瞬、下の騒ぎを放っておくことも考えたが、五月雨から発せられたその怒鳴り声は、昨晩聞いたもの以上に深刻なものであった。
あんな五月雨の怒声は聞いたことがない。
私の体は反射的に、立ち上がっていた
。
救難信号の無機質な短信音も悲鳴をあげる。
しかし、今の私には頭に入ってこなかった。
「…………ッ!」
日振島北東沖なら日振島泊地や戸島泊地の方が早く救助に駆けつけられる。それに、いまの状態では救助どころではないだろう。
そう自分に言い聞かせて、この救難信号を無視。
直後、私は司令室を飛び出し、階下へと転がるように駆けていった。
二階へと到着すると、五月雨が自分の部屋の扉の前で紅潮して突っ立っていた。妹はその前に尻を着いてしゃがみこんでいる。
と、五月雨と目線があった。
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