ある門番たちの日常のようです
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461: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 21:37:19.71 ID:wQDSgDey0

壇上で後ろに立つティーマスが、小声で囁きながら俺の脚を他の奴等にバレぬよう小突く。痛みに顔を少ししかめながら誤魔化してみせたが、眼前の1000人分を遙かに凌ぐ強く鋭い眼光を背に感じたので直ぐにやめた。

('A`)「………つってもさ、真面目な話俺に何を言えってんだよ。割とマジでイヨウ中佐何を考えて俺をこの場に引っ張り出したの?階級だって高くねえしミルナ中尉やサイ大尉みてえに気が利いたことも言えないっての。いじめ?いじめなの?」

以下略 AAS



462: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 21:47:42.69 ID:wQDSgDey0
機動迎撃大隊………イヨウ中佐曰く「何でも屋」。それを構成するのが、ジョルジュ、ミルナ中尉、サイ大尉、ツンの四人を先頭に俺の前に並ぶ約1000人。

居並ぶ顔ぶれは本当に様々だ。ドイツ・フランス合同旅団から引きぬかれたフランス兵もいれば、サイ大尉に着いてきて共に編入されたアメリカ海兵隊もいる。俺やミルナ中尉の部下だった顔ぶれもちらほらあるし、どうも学園艦から志願してきたらしい年端もいかねえガキも、ほんの数人だがツンの後ろで列に加わっていた。

だが、今はその誰もが緊張と隠し切れない恐怖を浮かべて俺に視線を向ける。
以下略 AAS



463: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 22:00:49.00 ID:wQDSgDey0
('A`)「隠し事は苦手なんではっきりと言うが、この作戦の成功確率は低い。どれだけこっちに都合よく計算しても30%あるかないかってところだ。よしんば成功しても、ドレスデン防衛軍が受ける損害は計り知れない。

それは、この大隊も同じだ。何人死ぬか────いや、何人しか生き残れないかは、正直俺にも解らない。全滅したって何もおかしくない」

…………ほれ見ろ、素直にミルナ中尉やサイ大尉に任せりゃいいものを俺にやらせたばっかりにこのざまだ。今やサイ大尉の後ろに並ぶアメリカ海兵隊を除いた全員が葬式場のように陰気な顔つきで俯き、今にもすすり泣きが聞こえて来かねない。
以下略 AAS



464: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 22:22:23.55 ID:wQDSgDey0
現状を説明したときよりも、ずっと大きなざわめきが目の前で飛び交う。アメリカ海兵隊の奴等ですら、少し驚いた表情を各々に作って俺の方を見ていた。

('A`)「俺は一介の陸軍少尉に過ぎない」

それらをあえて完全に無視して、言葉を続ける。俺の、「思ったままのこと」を。
以下略 AAS



465: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 22:52:11.99 ID:wQDSgDey0
いつの間にか、ざわめきは止まっていた。ミルナ中尉達の後ろに整列する1000人は、俺がつらつらと並べた軍人にあるまじき怠惰な心情に呆気にとられている。憤るべきか、ジョークとして笑うべきか………互いに顔を見合わせ首を傾げている。

('A`)「この中に、スーパーマンみたいに深海棲艦を拳一つで粉砕できる奴はいるか?いたら手を上げてくれ」

誰も、手を上げない。
以下略 AAS



466: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 23:21:09.40 ID:wQDSgDey0
('A`)「深海棲艦は、俺達人類を明らかに皆殺しにしようとしている。

だから“対話”で解決なんてできやしないし、戦わずにいればどのみち俺達はいつか一人残さず殺される」

('A`)「“スーパーヒーロー”がいないのは、ここに限った話じゃない。世界中がそうなんだよ。どうか誰かあいつらをやっつけてくださいって願ったところで、誰もやっつけちゃくれない。
以下略 AAS



467: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/24(火) 00:26:09.30 ID:hkVftlJ20
(#'A`)「俺達はいったい何のために生きてきた!?これから先何のために生きていくんだ!?

国家のためか?人類のためか?違う、俺達自身のためだ!俺達自身が生きたいから生きていく!」

('A`#)「俺達がこの場で武器を取り、押し寄せてくるディープワン共に立ち向かう理由は何だ!?名誉のためか?自己犠牲のためか!?違う!俺達自身のためだ!
以下略 AAS



468: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/24(火) 00:50:42.85 ID:hkVftlJ20
(;'A`)「そして………グゥエッホグエッホ」
  _
( ゚∀゚)「よーよー、のど飴いるかドクwwwwww」

息が切れ、激しく咳き込む。張り詰めていた空気が途端に弛緩して何人かが苦笑いを漏らし、それはジョルジュの茶々によって全員の爆笑へと伝播した。
以下略 AAS



469: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/24(火) 01:06:28.60 ID:hkVftlJ20





以下略 AAS



470: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/24(火) 01:10:03.11 ID:hkVftlJ20




〜ある門番たちの日常のようです〜
以下略 AAS



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