350: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/06(金) 00:24:33.44 ID:aiRar0RB0
ファルロがほとんどただの赤い塊と化した上半身から射線を下にずらし、“男”の膝に向かって弾丸を放つ。5.45x39mm弾が膝関節の骨と筋肉を粉砕し、欠落した左足が血の噴水に押し出されて左腕同様階段を滑り落ちた。
「アッ………アッ………』
(; ̄⊥ ̄) 「……いったい何だこいつは!」
351:名無しNIPPER[sage]
2017/10/06(金) 00:26:02.13 ID:IM96gqTGo
なんだ、チェストバスター(PT)か
352: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/06(金) 00:49:58.67 ID:aiRar0RB0
赤ん坊………ああそうさ。こいつは間違いなく赤ん坊だ。
0.5mあるかも怪しい小さな身体に、明らかに関節がしっかりとしていないバタバタと動かされる手足。全体的に丸っこい体型、無邪気に上がる笑い声。全て間違いなく赤ん坊のそれさ。
『キャッキャッキャッ、キャハハハハハ!!!』
353: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/06(金) 09:26:56.39 ID:Q97Eht8ZO
『アンム、アンム、アンム………』
人一人を丸呑みにするため2m四方まで脹れあがった赤ん坊の───深海棲艦の頭部は、口の中でしばらく獲物をもごもごと遊ばせた後に大きく喉を鳴らして嚥下した。口の端からはみ出ていた腕が噛み千切られてこぼれ落ち、水溜まりに音を立てて落下する。
『キュヒィイイイイ………』
354:名無しNIPPER[sage]
2017/10/06(金) 22:30:06.77 ID:1qa5QjZrO
毎度更新を楽しみにしてるけど、歯は大丈夫何だろうか…
355: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/07(土) 23:00:52.58 ID:j0u6iqnt0
外観こそ歪なオタマジャクシだが、大きさは今や胴体と頭部を含めて5,6Mは越えた化け物。
神話に出てくる怪物蛇の幼体だと言っても信じてしまいそうなそいつの、強大極まりない肺活量を一杯に利用した咆哮が廊下に木霊する。物理的な衝撃すら感じる大音声を間近に聞き、鼓膜が痛みを伴いながら破れる寸前まで震動し、口から新たに撒き散らされた潮の臭いがする水分を全身に浴び────間抜けなことに、ここまでされて俺達はようやく我に返る。
『マァアアアアアアアッ!!!!』
356: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/07(土) 23:48:31.75 ID:j0u6iqnt0
廊下をほぼ隙間無く埋めるほどデカイ相手に対して、5メートルと離れていない位置からの銃撃。きっとチンパンジーだって外さないに違いない。
『キィアアアアアアアアアッ!!!!!』
頭部を覆う真っ黒い表皮の上で銃火が爆ぜて廊下を照らす。案の定とでも言うべきか効果は無く、満腹からは程遠いらしい化け物は蛇の如く床を這って俺達へと躙り寄る。
357: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/08(日) 08:27:13.41 ID:X++56mtf0
undefined
358: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/08(日) 08:31:00.90 ID:X++56mtf0
(;゚∋゚)《Wild-Cat、こちらOstrichだ!裏口で新型の深海棲艦と交戦中!》
(,,;゚Д゚)「奇遇だな、こっちも同じ状況だ!敵の形状は!?」
(;゚∋゚)《地下二階への突入口に立っていたロシア軍兵士1名の“内部”から乳幼児型の幼体が出現、その後交戦中に肥大化!現在は蛇、或いはオタマジャクシのような形状の非ヒト型深海棲艦になりこちらに攻撃を仕掛けてきている!》
359: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/08(日) 10:06:28.01 ID:ADV0ZPzsO
憎まれ口を叩きつつも、時雨の行動は迅速だった。25mm連装機銃を素早く構え直し、動きの激しさに反して眠たげに半開きにされていた奴の眼球へと銃火を叩き込む。
『ギュエアッ!!!!?』
悲鳴を上げて奴が頭を跳ね上げる。天井にドデカイ穴が開いて頭部の上半分が埋まり、青白く光る胴体が剥き出しになった。
360: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/10(火) 21:50:38.45 ID:jnMs5GG00
濛々と舞い上がり辺りに充満した土煙は、廊下の湿った空気と上に口を開けたデカイ換気口のおかげで幸いにも直ぐに収まる。天井から入ってくる地上階のライトが、事切れた化け物を照らし出した。
(,,;゚Д゚)「……」
手斧による裂傷が右側頭部の中心にざっくりと刻まれ、傷口を境として頭部全体がダンプカーに全速力で衝突されたかのようにへし折れ拉げている。左側は壁に完全にめり込み、殴打されたときの衝撃で飛び出した眼球が真下に転がっていた。
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