359: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/08(日) 10:06:28.01 ID:ADV0ZPzsO
憎まれ口を叩きつつも、時雨の行動は迅速だった。25mm連装機銃を素早く構え直し、動きの激しさに反して眠たげに半開きにされていた奴の眼球へと銃火を叩き込む。
『ギュエアッ!!!!?』
悲鳴を上げて奴が頭を跳ね上げる。天井にドデカイ穴が開いて頭部の上半分が埋まり、青白く光る胴体が剥き出しになった。
どうも地上階まで貫通したらしく、調度品だったと思われるどこぞの偉人の胸像やら格調高い意匠の家具やらが降ってきて地面に叩きつけられていく。それらの合間を縫って、俺はブレードを、江風は手斧を構え奴の胴めがけて飛び込む。
(,,#゚Д゚)「ゴルァアッ!!」
革袋いっぱいに詰め込まれた腐肉に刃を突きたてている気分になる、あの不快な感触が手先から伝わってくる。こみ上げてくる不快な感情を努めて抑え付けながら、相撲の力士を二人ぐらい纏めて飲み込めそうな図太い胴に刃を横断させた。
『 !!!?』
真下で聞く羽目になった奴の悲鳴は、世界中の文豪を束にしてもきっと文字で表現することはできまい。とにかくおぞましい、この世のものとは思えない“音”だったとだけ聞いておく。
あんな気持ちになったのは非番の日に双子共と提督についてカラオケに行き、そこで兄の方の歌声を聞いたとき以来だ。
あの時俺と提督はよく生き延びられたと思う。
「そぉおおいっ!!!!」
『グケッ』
がくんと姿勢が崩れ、天井から抜け落ちてきた奴の頭部。目元辺りの高さに差し掛かった奴の頭部めがけて江風が手斧を振り下ろすと、締め上げられた鶏みたいな声を最後に化け物の悲鳴が途絶える。序でにいうとその声も、勢いよく頭部が壁に叩きつけられた轟音のせいで本当に辛うじて聞こえたのだが。
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