432:名無しNIPPER[sage]
2017/06/26(月) 10:00:32.15 ID:aISb4hapo
おつ
主人公も順調に人外の域に入り始めてる感
とはいえこっからどうやって軽巡棲姫をどうにかするのかは想像がつかん
433: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 22:30:37.41 ID:+IPvwG8p0
三つの光が、彼方で瞬く。
(; A`)「……っぐ……おぉっ………!!?」
押し寄せてきたそれは、鉄と火薬の暴風だった。
434: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 22:38:49.83 ID:+IPvwG8p0
(;゚A`)「ぶっ───ぉ」
一瞬の浮遊感を経て襲ってくる、全身をバカでかいハンマーでぶん殴られたような衝撃。息がつまり、チカチカと眼の奥で星が飛ぶ。
知覚の限界を超えた激痛にブラックアウトしかけた意識を繋ぎ止めたのは、なんとも皮肉なことに直ぐ後に続いた別の痛み。
435: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 22:43:34.80 ID:+IPvwG8p0
『…………』
あれだけ激しかった銃撃が、まるで指揮者の合図を受けたオーケストラの演奏みたいにピタリと止まった。真ん中の“艦影”はおもむろに脚を持ち上げ、力なく地面に転がるKLX-250をそっと踏みしめた。
(メ; A`)「ゴホッ………ゲホッ……」
436: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 22:53:29.59 ID:+IPvwG8p0
思えば、チ級による追撃すら──あの二体が破壊されたことは予想外だったとしても──奴が俺をここに連れてくるための誘導だったのかも知れない。それだけ奴には俺が自分を狙っているという確信も、そして俺達の策を粉砕できる自信もあったのだろう。
『──────♪』
そして奴は今、その通りになったことで勝ち誇っている。散々手こずらせてきた俺達の、最後の希望を打ち砕いてやったと嘲笑っている。
437: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 23:20:41.22 ID:+IPvwG8p0
構えたG36Cが、鉛のように重い。一歩踏み出す毎にのたうち回りたくなるような痛みに視界が霞む。
(#メ A )「あぁああああああああああああっ!!!!」
それらを耐え、誤魔化すために叫び続ける。声を出すことを止めれば、途端に意識が途切れてしまいそうだ。
438: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 23:46:12.95 ID:+IPvwG8p0
基本軍用車は燃えにくいディーゼルエンジンを主流にしているが、偵察を主な任務として足回りが重視されるオートバイに関しては殆どの場合ガソリンエンジンが採用される。無論ポーランド軍が同様の考えだとは限らないので一抹の不安はあったが、あの爆発、景気の良い燃えっぷりを見る限り杞憂に終わってくれたようだ。
『………ッ、…………!!』
無論、それなりの爆発とはいえ所詮バイク一台分。“軍艦”に大きなダメージを与えられるような規模にはどう考えてもなりっこない。だからこそ軽巡棲姫も、仮に俺の策が成功したとしても“撃沈はない”と踏み、前に出てきたといえる。
439: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/29(木) 00:27:57.36 ID:8fhCldZ+0
『ギィッ………!』
ここにきて、目の前の三隻も焦燥を露わにした。俺の前進が「やけくそのkamikaze」なんかじゃないことに、「KLX-250による自爆攻撃」が二重の目眩ましであることに、ようやく奴らも気づいたのだろう。
『ア゛ア゛ア゛ッ!!!』
440: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/29(木) 00:58:27.43 ID:8fhCldZ+0
(#メ゚A゚)「ぅおあああああああああああっ!!!!!」
最初で、最後のチャンスだ。ル級だろうが軽巡棲姫だろうが、とにかく一隻でも衝撃から立ち直ればもうこっちに手立てはない。攻撃された瞬間に、ドク=マントイフェルという存在は木っ端微塵でゲームオーバーだ。
叫び、走る。全身の力を一滴残らず絞り出しながら、駆ける。
441: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/29(木) 00:59:35.17 ID:8fhCldZ+0
(メ'A`メ)「断る」
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