438: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 23:46:12.95 ID:+IPvwG8p0
基本軍用車は燃えにくいディーゼルエンジンを主流にしているが、偵察を主な任務として足回りが重視されるオートバイに関しては殆どの場合ガソリンエンジンが採用される。無論ポーランド軍が同様の考えだとは限らないので一抹の不安はあったが、あの爆発、景気の良い燃えっぷりを見る限り杞憂に終わってくれたようだ。
『………ッ、…………!!』
無論、それなりの爆発とはいえ所詮バイク一台分。“軍艦”に大きなダメージを与えられるような規模にはどう考えてもなりっこない。だからこそ軽巡棲姫も、仮に俺の策が成功したとしても“撃沈はない”と踏み、前に出てきたといえる。
だが、至近距離で炸裂した爆光は、周囲でちらつく焔は、例えダメージにならなくても“動きを抑え、射線を遮る”目眩ましとしてはあまりに十分すぎる。
『『…………!!』』
軽巡棲姫からの指示か、ル級が機銃を放ち始める。だが、炎越しに放たれた弾幕は次々とあらぬ方向で火花を散らし、俺の周りにすらまともに飛んでこない。
(メ#'A`)「─────」
身体を丸め、姿勢を低くし、足を止めずに突っ込む。
彼我の距離、80M。
『…………!!!』
(#メ'A`)「っと!!」
『ッ?!』
ようやくル級の内一隻が態勢を立て直し、勢いを弱めていく炎の向こうで艤装を構える。───が、俺が左手に立ち並ぶビルの一つに銃口を向けると、其方に釣られて自ら射撃の機会を手放した。
(メ#'A`)凸「はっ、バーーーカッ!!!ゲホッ、ゴホッ!!」
さっきのバイクの件が頭にあったのだろうが、これはただのハッタリだ。間抜けに虚空を警戒するル級に中指を突き立ててやりながら、前へ進む。
互いの距離は、60M程になっていた。
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