437: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/28(水) 23:20:41.22 ID:+IPvwG8p0
構えたG36Cが、鉛のように重い。一歩踏み出す毎にのたうち回りたくなるような痛みに視界が霞む。
(#メ A )「あぁああああああああああああっ!!!!」
それらを耐え、誤魔化すために叫び続ける。声を出すことを止めれば、途端に意識が途切れてしまいそうだ。
前へ。前へ。前へ。
叫び、敵影だけを見つめ、走る。蹌踉めき、躓き、水溜まりに滑り、それでもとにかく進み続ける。
『…………』
彼我の距離、120M。
最初は戸惑い気圧された軽巡棲姫も、大声はただのハッタリでこの突貫を破れかぶれの特攻と踏んだらしい。動揺は直ぐに消え、此方に左手を向けた。
軽巡ト級を思わせる、巨大な顎を象った艤装が展開される。口の直ぐ上には4連装の魚雷発射管が、更にその上には単装砲と2門の対空機銃がごてごてとどこか不格好に突き出している。
どの艤装が使われるにしろ、生身に近い俺が食らえば跡形も残るまい。おまけに両サイドのル級も砲をこちらに向けていて、回避は難しい。
上等だ。こっちも、回避するつもりは毛頭ない。
(メ# A`)「っ!!!」
G36C、一連射。弾倉一つが空になるまで引き金を離さず撃ち放つ。銃から伝わってくる振動すら痛みに変わるが、歯を食いしばって耐える。
『……………?』
ただし火線は、棲姫にも両脇のル級にも向いていない。三隻の足下───KLX-250、その燃料タンクが、狙いだ。
『『『────!!?』』』
爆炎が、奴らの足下を焦がす。
彼我の距離、100M。
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