195: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:21:25.15 ID:NsTJuwti0
何も変わらない日々が続いた。それはもう、あまりにも平穏すぎるぐらいに。
だけど彼がお姉ちゃんを訪ねて家に来るたび、私は夜、一人でこっそりと枕を濡らしていた。
ふたりとひとりの、どうしようもないぐらい幸せな時間。
身勝手な気持ちでふたりの幸せを壊せば、ひとりの私の幸せも壊れてしまう。
196: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:22:39.52 ID:NsTJuwti0
しばらくして、やっとお姉ちゃんと連絡を取る事が出来た。
お姉ちゃんの無事も涙が出るぐらい嬉しかったけど、彼の無事については不安なまま。
電話越しに、私は意を決して無事を尋ねた。それで帰って来た言葉は…。
197: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:23:22.84 ID:NsTJuwti0
「………その男の人は、具体的にはどうなってしまったのかしら?」
「……それは、これからですよ。」
198: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:24:49.41 ID:NsTJuwti0
「ありがとう」と言う彼の顔には、貼り付けたような笑み。
歓喜で震えていたはずの手は、今は焦燥と、現実への拒絶感で震えていた。
この人は、誰……?
199: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:25:47.63 ID:NsTJuwti0
ちょうど平日の、あの公園が人も疎らになる時間。
お姉ちゃんがトイレに行ってる僅かな隙に、隠していたナイフで手首を切ったようだ。
それは却って憂鬱になるぐらいの、あの日と同じ快晴の事。
入院期間は、決して長くはなかった。
200: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:28:32.86 ID:NsTJuwti0
全てが憎かった。
私達の日常を壊した戦争も、怪物共も……そして彼の事も。
201: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:29:51.68 ID:NsTJuwti0
「…まあ、こんな流れです。まだここまでしか書けてないんですけどね。」
「…………ふふ、売れないわね、その小説…。
202: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:35:10.13 ID:9lA1YemZ0
その夜部屋に帰って、ドアを閉めた瞬間、その場にへたり込んでしまいました。
山城さん、きれいだったなぁ……あれ?何で床が濡れてるのかなぁ?
はは……何で、泣いてんだろ…。
203: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:35:41.60 ID:9lA1YemZ0
今回はここまで。
204:名無しNIPPER[sage]
2017/09/28(木) 10:00:18.03 ID:FlctWSFXo
乙
山城かわいい
205: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/10/05(木) 05:22:28.86 ID:zHmp11Q90
泣き疲れたのか、いつの間にか寝落ちしちゃいました。
時間は……21時かぁ。あーあ、ひどい顔。
携帯を開くと、彼からの連絡が。彼の知らない裏であんな事したのに、やっぱりこんな些細な事でも嬉しくて。
せめてちゃんと、彼が幸せでいられるようにしなきゃなぁなんて思いました。図々しい話でしょうけど。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20