青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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202: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:35:10.13 ID:9lA1YemZ0

その夜部屋に帰って、ドアを閉めた瞬間、その場にへたり込んでしまいました。

山城さん、きれいだったなぁ……あれ?何で床が濡れてるのかなぁ?
はは……何で、泣いてんだろ…。

…ありがとうって、何なのさ。
私はあの子が邪魔で、気に食わなくて……ただ傷付けたくて、あんな話をしただけなんだ。
何だよう…ありがとうってさ……私、ばかみたいじゃん……。

本当に醜くて歪んでるのは、私の方なのに。

ずっとずっと、涙が止まりませんでした。
ただ、あんな事を平気で出来た自分が大嫌いで、ばからしくて…なのにあの子は、あんな言葉をくれて。

それでも彼の事を思い出せば、胸は暖かくて。
さびしくて、あいたくなって。

でもこんなんじゃ、いまはあいになんていけない。

髪をほどいて、祈るようにそれを握り締めて。
縋るみたいに、彼からもらった髪留めを胸に寄せて。

突き付けられた自分の醜さは、ひたすらに痛くて。
それでも相変わらず、彼の為なら同じ事を出来てしまいそうな自分も見えて。
怖くなって、苦しくなって。私はただ、そうやって明日を待つ事しか出来ませんでした。


どどめ色のずきずきとした胸の痛みに、ずっと囚われたままで。




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