200: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/27(水) 08:28:32.86 ID:NsTJuwti0
全てが憎かった。
私達の日常を壊した戦争も、怪物共も……そして彼の事も。
どうして彼がああならなくてはならなかったのか?
どうしてふたりが別れなくてはならなかったのか?
どうして、お姉ちゃんが自ら戦争に行かなきゃならなかったのか?
そしてこれは、一番強くて…だけど浅ましい衝動。
ねぇ、__さん…どうしてお姉ちゃんを泣かせたの?
どうして…私の前から消えてしまったの?
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして。
どうして。
次第に募るのは、敵よりも、彼への理不尽な憎しみだった。
憎まなきゃ、自分を保ってなんかいられなかった。
おねえちゃんをまもらなきゃ。
そうだ、いつかなぐりにいかなきゃ。
おねえちゃんをなかせたんだ、あいつをなぐりにいかなきゃ。
あいつもせんそうもばけものも、かたっぱしからなぐりにいかなきゃ。
あいつにしかえしをすれば、いたくすれば、ずっとわたしのことをおぼえていてくれる。
わたしのことを、みてくれる。
その後進路を決める時、私は二つの道を決めた。
まず第二志望は軍の事務……そして第一志望は、その兵器の適合者として働く事。
危険な仕事だけど、その頃にはその兵器は、世間の女の子のちょっとした憧れにもなっていた。
それに…お姉ちゃんを支えたいと言う大義名分も、私にはあったもの。誰も止める人なんていなかった。
結果として、私の進路希望は叶った。
何と言う悪戯でしょうね、私はその日から神様が大嫌いになった。
だって、例え肉親でも同じにはなりにくいって言われてたのに…お姉ちゃんと同じ型の兵器に、適正が出たのだから。
私がお姉ちゃんを『姉様』と呼ぶようになったのは、その日からの事だった。
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