152: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 06:54:35.55 ID:E5Fo7Ca+O
「ん…起きてたのか。」
「あ…え、ええ!少しトイレお借りしました…。」
そこに掛かった声は、大好きな人の声で。
153: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 06:56:41.99 ID:E5Fo7Ca+O
「眠くねえなぁ…。」
「横になろっか?ゴロゴロしてるだけでもマシだろうし。」
154: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 06:58:05.67 ID:E5Fo7Ca+O
「ねぇ…本当に痛くないの?」
「背中の事か?大丈夫だよ。」
155: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 06:59:15.18 ID:E5Fo7Ca+O
やがて朝が来て、いつの間にかまた眠ってしまっていて。
青葉が目を覚ました時には、彼はもうお仕事に行った後でした。
“……この部屋、結構広いんだ。”
156: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 07:01:12.09 ID:E5Fo7Ca+O
無意識にトラウマになってた、最低な過去の恋愛も。一夜明けると何だか遠くの様で。
それ以外の事も、映画の様に客観的に蘇って来て…例えば、艦娘になるきっかけの事。
叔父さんの事については、一つだけ彼に隠し事をしていたんです。
それは心配をかけまいとしたが故ですけど。
157: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 07:03:20.81 ID:E5Fo7Ca+O
その日の夜。
一日を終え、彼は自室のベッドに横たわっていた。
部屋には音楽が流れており、間接照明の中、彼はじっと天井を見つめている。
ベッドから感じるのは、彼女の残り香。
158: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 07:04:09.70 ID:E5Fo7Ca+O
今回はここまで。
159:名無しNIPPER[sage]
2017/06/20(火) 00:56:58.29 ID:K3r+mxBpO
なんだろう、すごくドキドキする
160: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/23(金) 05:17:34.57 ID:GXp8xFqq0
『魔の海を越えて……最後に見たのは…』
イヤフォンを耳に差したまま、呆然と天井を見つめていました。
一通り黒いジャケのアルバムを聴いて…今は、ある曲をリピートしてしまっていて。
それはアルバムのストーリーの冒頭。主人公が敵に撃たれて、戦地から現代へと魂が飛ぶ場面を歌った曲。
161: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/23(金) 05:18:43.03 ID:GXp8xFqq0
息を切らして彼の家に辿り着くと、インターホンに手を伸ばしました。
だけどその手を、途中で止めてしまったんです。
きっと堂々と尋ねたら、彼は全てを隠してしまう。
今青葉が知らなきゃいけないのは、そうじゃない顔。
162: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/23(金) 05:20:03.92 ID:GXp8xFqq0
『こん…こん…』
自分でもびっくりするぐらい、弱々しいノックをしていました。
それでもあの部屋にはよく響いたのでしょう、彼はすぐに気付いて…。
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