154: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 06:58:05.67 ID:E5Fo7Ca+O
「ねぇ…本当に痛くないの?」
「背中の事か?大丈夫だよ。」
「……違うよ。私は記者だもん、あなたの事は沢山見てきたんだ。
__…昔の事、思い出したりしてない?」
「……思い出してないと言えば、嘘になるかな。」
「…今は何も訊かないよ。でも辛くなったら、私のこと思い出して。いつでも見てるから。
それで…話したくなったら、いつでも話してね。」
「……ありがとう。」
胸元にわずかに冷たいものが触れたのは、きっと気のせいじゃない。
痛くないように、なるべくゆっくりと抱く力を強くして…体に食い込むその感触で、彼がここにいる事を確かめていました。
抱きしめているようで、きっと縋り付いているのは『私』の方だけど。
艦娘である以上、命の危険なんていつでもあるはずで。
なのに相変わらず、仲間や自分の誰よりも、司令官である彼が一番消えてしまいそうな気がするのは、変わりませんでした。
『私』は、あなたがいないと生きて行ける気がしない。
でも…あなたは、『私』がいなくても生きて行ける?
何度も自分からキスをして。その後何をするでもなく、ベッドで色んな話をして。
その間ずっと、青葉はつないだ手を離す事が出来ませんでした。
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