青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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156: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/18(日) 07:01:12.09 ID:E5Fo7Ca+O
無意識にトラウマになってた、最低な過去の恋愛も。一夜明けると何だか遠くの様で。
それ以外の事も、映画の様に客観的に蘇って来て…例えば、艦娘になるきっかけの事。

叔父さんの事については、一つだけ彼に隠し事をしていたんです。
それは心配をかけまいとしたが故ですけど。

叔父さんの遺体は、確かに早く見付かりましたが…厳密には、頭と右腕までだけが繋がった状態で見付かったんですよ。
それ以外は吹っ飛んでしまっていて、それでもSDだけは手放していなかった。

青葉が敵に憎しみを抱いたのは、それが最初の事。
叔父さんは青葉にとって、ジャーナリストとしての目標で…仇討ちに艦娘になる事を決めたのは、そう時間は掛かりませんでした。

仇を討つ事も、本を書いて世に伝えたいと言う目標も、そこに偽りはありません。
でも、ある時から青葉の中には、一つだけ疑問が芽生えました。

じゃあ、守りたいものや助けたいものは、青葉にはあるのかな?って。

仲間が亡くなった時や、彼と深く関わっていく中で、その疑問は次第に大きくなっていました。

今は…幸せになりたいし、したいかな。
この戦争に勝って、叶えたい事もあるし…ずっと、隣にいて欲しい人が出来ましたから。
戦争が終わっても彼が生きていられるように、青葉が彼の心を連れ戻すんだって。

“今夜はせめて、彼が寂しくないようにいっぱい連絡をしよう。”

そう決めて体を起こすと、貸してもらったCDをPCに取り込みました。
それで一番気になっていた、黒地のアルバムから聴き始めて…。

言い知れぬ不安に駆られたのは、その時の事でした。





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