74: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/16(木) 18:08:23.56 ID:Yn/S07zg0
私の問いかけに、猫は“にゃー”と鳴いて答える。もしかして、言葉が解るのか? いや、解っていようといまいと、いきなりこんな知らない場所に連れ込まれたら、不安にもなるか。その気持ちはよく解る。解るのだが──
「私はお前を手離したくない…」
「できることなら、ずっと私の飼い猫として、ここにおいておきたい」
75: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/17(金) 23:17:27.39 ID:JYcML8FE0
辺古山が出ていってから、寝たフリをやめて目を開ける。
まず考えたのは、部屋で別れた獄原のことだ。
76: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/17(金) 23:18:52.76 ID:JYcML8FE0
(だが……)
ここに来るまでの間に蘇った、あいつがいて、テニスができさえすれば概ね満たされていた頃のような“生きている”と実感し、高揚したあの感覚──
全てが許された気がした
77: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/21(火) 02:04:04.61 ID:n4bVmGDB0
(私が猫を飼う…か)
今、こうしている間にも、自分の部屋で猫が留守番をしているのだろうと考えると、自然と頬と口許が緩んでしまう。
78: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/21(火) 02:04:51.92 ID:n4bVmGDB0
ガチンッ
ガチャッ
79: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/21(火) 02:05:20.07 ID:n4bVmGDB0
辺古山はクローゼットを開け、制服を脱ぎはじめた。着替えを見ないように顔を伏せる。衣擦れの音は耳を伏せても、どうしたって届いてしまう。深く考えもせずに、男である俺が居座ってしまっていることを申し訳なく思う。知らない内に、男を部屋に上げているうえに、一つ屋根の下なんざ、辺古山からしたら卒倒モンだろ。
辺古山 「心配になって戻ってきた。今日の授業は出ずに、今からお前のモノを買い揃えてこようと思う」
着替えを終えた辺古山はこちらにまで歩み寄り、俺と視線をあわせるように屈む。今日で何度めになるだろうか、頭を撫でられる。長年竹刀を握り続けたことでできているタコの硬さを感じとる。こいつからは何者にも負けてはならないという気概が常にみえる。テニスで常に上をみていた、あの頃の俺を思い出させる。
80: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/21(火) 02:06:40.05 ID:n4bVmGDB0
(あいつの名前を考えてやらねば……どんな名前がいいだろうか?)
81: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/21(火) 02:07:59.99 ID:n4bVmGDB0
辺古山 「お前の名前を決めたぞ」
82: ◆AZbDPlV/MM[sage]
2025/01/21(火) 02:21:27.78 ID:n4bVmGDB0
やっと星君のペット名まで辿り着きました。星 “竜”馬と九頭“龍”で、どちらにもリュウが付く共通点があったため、名前はリュウにしました。ペコちゃんは恩がある九頭龍組由来で付けてます。
後もう1レス分ありますが、まだ先になる予定で、しかもそこに至るまでが未定です。早く投下できるように、なるだけ頑張ります。
83:名無しNIPPER[sage]
2025/01/23(木) 00:37:25.79 ID:Ka/VEFnF0
見てます
84: ◆AZbDPlV/MM[sage]
2025/01/27(月) 15:02:43.91 ID:k7s/KvFh0
>>83
ありがとうございます!
こちらは月1ペースでやっていけたらなぁと思ってますので、よろしくお願いします。
ペコちゃんとリュウ(猫星君)
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