■■「島村卯月、頑張りますっ」
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18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:04:14.70 ID:JSGxJH370
◇◇◇

 ちひろさんに連れられてビルを降ります。そうして連れられた地下室からは、長い地下道が伸びていました。
 最初はいかにも無理やり掘ったような道でした。何度も何度も転びそうにありながら、ちひろさんが持つライトだけ頼りに進みます。
 やがて綺麗に整った通路に出ます。薄暗いけど僅かに明かりもある。明らかな人工の通路です。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:05:42.96 ID:JSGxJH370
◇◇◇

 草の匂いが香ってきました。お花屋さんでお花や植物の匂いはよく嗅いでいましたが、それとは全く異質な匂いがします。
 整った人工物ではなくて、枠に収まらない生命の力が宿った香り。
 光の先にあったのは、何処までも広がる草原。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:07:19.01 ID:JSGxJH370
◇◇◇

 ちひろさんに連れてこられたのは、何もないお部屋でした。
「――それでは、自分が二番目の『島村卯月』であることは知っているんですね」
 隠すこともないので、自分が知っていることを伝えました。もちろん、もう一人の『島村卯月』さんのことは伏せています。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:08:19.59 ID:JSGxJH370
「『島村卯月』たちは、旧世界の中でも一番幸せだった時代に生まれた少女です」
 人々が満足し、その先を求めなかった世界。枯れ始めていた地球に目も向けず、ただ娯楽をむさぼっていた時代。
「その時代、アイドルと言う存在は神にも等しいものでした。世界中の人が憧れ、彼女たちに夢中になっていた」
 それは、間違いなく人々にとって幸せな時代だった。
「その熱狂を再現して、人々を幸せだった時代に酔わせる。それが、『シンデレラ・プロジェクト』」
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:09:10.64 ID:JSGxJH370
 その言葉に、嫌な予感がしました。
 世界を管理しようという人間が、ただ娯楽を提供するだけで満足するのでしょうか。
 この世界そのものの管理――それが、役目だと言うのになら。
「私がシンデレラガールになったのも……かつて、居たアイドルがそうだったから」
「――そうです。すべては、予定されたプログラムです」
以下略 AAS



23:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:09:48.61 ID:JSGxJH370
◇◇◇

 その後、私は何事もなかったかのように街へと戻されました。
 空……ドームの天井はすっかり暗くなって、星を模した照明がいくつか光ってます。
「お疲れ様です」
以下略 AAS



24:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:10:45.16 ID:JSGxJH370
 そのままちひろさんと別れると、私は女子寮に帰ります。
 もう、消灯時間は過ぎていて、誰ともすれ違わずに部屋に戻れました。
 部屋の中は真っ暗で、いっそこのまま眠ってしまおうかとも思いました。
 でも、眠る気もおきません。お友達に電話をしようかとも思ったけれど、とても楽しくお喋りは出来そうもありません。

以下略 AAS



25:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:11:31.04 ID:JSGxJH370
 暗い部屋の中で、テレビから溢れる光だけがこの部屋を照らしていました。
 映像の中に居るのは、『島村卯月』。私が『島村卯月』になる前に行われたライブ。

 客席を覆うのはピンク色のサイリウム。世界を覆いつくすのは『島村卯月』への歓声。
 その中で、彼女は歌っている。
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:12:27.93 ID:JSGxJH370
 黒いちひろさんは、アイドルと言う存在そのものが支配のための道具だと言いました。
 アイドルと言う存在を愛すことも、管理者にとって都合のいいことだと言いました。
 本当に、そうなのでしょうか?
 本当に、私はそう思っているのでしょうか?
「っ!!」
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:13:13.60 ID:JSGxJH370
◇◇◇

「プロデューサーさん!」
「卯月!?」
 滅茶苦茶な私を見て、プロデューサーさんは目を丸くして驚きます。
以下略 AAS



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