新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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356: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:11:34.41 ID:jvW3su8lO


石丸「くそっ、マスコミが騒いでる」


以下略 AAS



357: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:12:37.81 ID:jvW3su8lO

石丸「その一部がうるさいんだよ。くだらない情報を間に受けるバカどもが」

戸崎「ですが、いま議論するべきことではありません。いま急を要するのは帽子への対策です」

以下略 AAS



358: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:14:24.80 ID:jvW3su8lO

戸崎が眼で軽蔑を示していると、ドアが開き、失礼しますと断りをいれながら会議室に入ってくる者がいた。戸崎はその人物を見て、会議が始まってからはじめて、かすかにだがその眼に感情が宿った。


戸崎「曽我部、なぜおまえがここに」
以下略 AAS



359: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:15:20.34 ID:jvW3su8lO

そのように答えを返す曽我部の表情には隠しきれない無礼と見下しが浮かんでいて、それは下がり眉と口の橋の上がり具合に見て取れた。自分を侮っていることを隠すどころか、むしろ挑発するような態度を取る後輩に対して、戸崎の表情はどこか弛緩したような感じで、倦怠や諦観や憐れみなどを思いこさせる視線を曽我部に向けていた。


戸崎「曽我部、これはおまえへの最後の忠告だが、この一線は……後戻りできないぞ」
以下略 AAS



360: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:16:46.47 ID:jvW3su8lO

ホテルの通路の壁面の上部に備え付けられた灯りが通路をズカズカと進む戸崎を明滅するように照らしていた。影と光が交互に戸崎の顔にかかる。廊下は静まり返っていて人の気配がなかったが、それはいつものことだった。目的の部屋に到着した戸崎はカードキーでロックを解除すると中に入り、後手でドアを閉めた。


オグラ「女王様のご帰還か」
以下略 AAS



361: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:18:02.00 ID:jvW3su8lO

戸崎はオグラに歩みよると、手錠が掛けられたオグラの左手を掴み、手を開いた状態でテーブルの上に押さえつけ、長方形と二等辺三角形が組み合わさったような五角形の薄いスチール製のこてをつき下ろした。オグラの小指が骨ごと切断された。テーブルに血が広がった。こてを抜いたとき、小指がもとあった位置からずれ、テーブルを覗きこめば手と指の断面が見えるようになった。


戸崎「それを見てみろ。死んだボディーガードの私物だ」
以下略 AAS



362: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:19:52.34 ID:jvW3su8lO

戸崎「この男の話は理論や根拠はともかく言っていることは偶然にも正しい。そしてそれはある分野で大いに役立った。すなわちIBM対策。こいつの情報は有益だ」

平沢「ぶっとんでるな」

以下略 AAS



363: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:21:42.18 ID:jvW3su8lO

戸崎は 「なんなんだ、おまえは。痛みに鈍いのか? 亜人にでもなったつもりか?」


表情にこそ表れていないが、戸崎は、激痛に苦しみ喘ぎはするものの、一向に話をしようとも拷問を止めるよう懇願しようともしないオグラの態度に苛立ちと困惑を覚え始めていた。
以下略 AAS



364: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:23:42.07 ID:jvW3su8lO

オグラ「そうさ……メガネ……こんなもんじゃあ、おれは……話す気分にならない。おれが話す条件はたったひとつ……たったひとつだけだ」


頭を上げたままの姿勢を維持するのに大きな苦労でもあるのか、オグラの首がまた下を向いていた。オグラの発言に戸崎の目が見開いた。耳に意識を集中させ、その内容によって拷問を続行するか瞬時に判断しようとしていた。オグラの頭と手が、ゆっくりと大変そうに戸崎に向かって上がっていく。震える右手が戸崎を指差し、大きく見開かれたオグラの目が、暗闇の中に灯るように浮かんだ。オグラははっきりと宣言するように、要求を口にする。
以下略 AAS



365: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:25:28.06 ID:jvW3su8lO

黒服が要求に従い、銘柄通り、マイルドセブンFKを部屋まで持ってきた。オグラは最低限の応急処置がされただけの左手で煙草を挟み、口に咥えると、右手に持ったライターで火をつける。口腔内の咬み傷に煙草の煙はひどく沁み入るはずだが、オグラは痛む素振りなど少しも見せず、満足するまで煙草を味わうと、ゆっくりと紫煙を吐き出して、言った。


オグラ「まずい」
以下略 AAS



366: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:27:14.01 ID:jvW3su8lO

オグラ「“アドバンス”……ああ、おまえらは“別種”と呼んでたな。
ここ数年、亜人は自分達のもうひとつの性質に気がつき始めた。自分以外にもう一つの肉体を作り出すことができたんだ。形状は個々によって変化することがあり、現れやすいのは手・口周辺。それは武器化する傾向にある。
おれはこれを『魂の痕跡器官』と呼んでる。人間の原始的な武器は爪と歯だからだ。
身体能力は人間と変わらない。が、人間の脳の制約を受けないため常に『火事場の馬鹿力』が出せる」
以下略 AAS



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