359: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:15:20.34 ID:jvW3su8lO
そのように答えを返す曽我部の表情には隠しきれない無礼と見下しが浮かんでいて、それは下がり眉と口の橋の上がり具合に見て取れた。自分を侮っていることを隠すどころか、むしろ挑発するような態度を取る後輩に対して、戸崎の表情はどこか弛緩したような感じで、倦怠や諦観や憐れみなどを思いこさせる視線を曽我部に向けていた。
戸崎「曽我部、これはおまえへの最後の忠告だが、この一線は……後戻りできないぞ」
曽我部「先輩風吹かせてる場合ですか」
思っていたような焦りや緊迫といった反応が見られなかったためか、戸崎の忠告に曽我部はすげなかった。
曽我部「グラント製薬の警備は警察が対応に当たるのが必然。われわれ亜人管理委員会はコンサルタントとして参加することになる。あと四十八時間です。それまでにIBM対策をひねり出せるのですか?」
曽我部はまた慇懃無礼な態度になって言った。戸崎の置かれた状況を説明していると、この状況から抜け出す術はないだろうという考えが浮かび、その後のことを考えると曽我部はほくそ笑みたくなった。そんな後輩に向ける戸崎の視線が鋭くなっていく。
曽我部「やってみせてくださいよ、戸崎先輩」
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