364: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:23:42.07 ID:jvW3su8lO
オグラ「そうさ……メガネ……こんなもんじゃあ、おれは……話す気分にならない。おれが話す条件はたったひとつ……たったひとつだけだ」
頭を上げたままの姿勢を維持するのに大きな苦労でもあるのか、オグラの首がまた下を向いていた。オグラの発言に戸崎の目が見開いた。耳に意識を集中させ、その内容によって拷問を続行するか瞬時に判断しようとしていた。オグラの頭と手が、ゆっくりと大変そうに戸崎に向かって上がっていく。震える右手が戸崎を指差し、大きく見開かれたオグラの目が、暗闇の中に灯るように浮かんだ。オグラははっきりと宣言するように、要求を口にする。
オグラ「FKを持ってこい」
意味不明の要求に戸崎が腕を振り上げる。スーツが捻れ、脇のところに皺が寄ったところで、戸崎の動きが止まった。オグラの言うFKが何なのか分かったからだ。
戸崎「……え? 本気か?」
戸崎は数年前から禁煙していた。だから、オグラが煙草を要求していることにすぐには気がつかなけった。
オグラ「最初から言ってるだろ。車にあったハズだ。持ってこい、いますぐ」
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