139:名無しNIPPER[sage]
2016/11/30(水) 06:01:29.09 ID:iTUdhj8DO
乙
舞ってる
140:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:30:15.84 ID:uyYIQu6tO
>>>>>>>
人々は混乱していた。
141:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:31:03.25 ID:uyYIQu6tO
生を喜んでいる者などいなかった。
束の間の喜びすら、津波のように押し寄せる灰色の化け物が呑み込んだ。
142:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:33:20.80 ID:uyYIQu6tO
無事避難出来た者に傷はない、痛みもない。
だが傷がなくとも容易く壊れ、痛みがなくとも苦痛に喘いでいる。
143:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:35:51.20 ID:uyYIQu6tO
誰が何の為に?
何故こんなことになった? この夜はいつになったら明ける?
144:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:40:04.66 ID:uyYIQu6tO
「(……勇者)」
対応に追われる兵士達の足音を聞きながら、希望の母である聖女は、不自然な程に明るい部屋でじっと目を閉じていた。
145:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:42:59.12 ID:uyYIQu6tO
戦いでは済まない。二人は殺し合う。
どちらかがどちらかを滅ぼすまで、戦いは決して終わらないだろう。
146:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:44:16.11 ID:uyYIQu6tO
戦友であり夫の友人、剣士。
命を賭して我が子を守護してくれた彼の魂も、今や絶望の内にある。
147:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:45:51.05 ID:uyYIQu6tO
向こうはいつでも現れることが出来る。
しかし、此方には対抗する術がない。絶望は魔ではない。故に、感知すら出来ないでいた。
148:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:49:06.06 ID:uyYIQu6tO
今、この瞬間にも、数多くの命が奪われている。
地下施設が完成してから現れたというのも、意図的なものを感じざるを得ない。
149:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:50:48.86 ID:uyYIQu6tO
「(……どうか、生きて)」
一人きりの部屋で誰にも見られることもないのだが、彼女は両手で顔を覆い隠した。
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