勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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259:名無しNIPPER[sage]
2016/06/26(日) 03:50:53.55 ID:9fsd6C+3o
きょうだ!


260:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:12:37.52 ID:Trw4ei5x0
 感情が昂りすぎて、頭の中は真っ白になってしまっていた。
 冷静になろうと努めても、それはとても叶わなくて、自分がちゃんと呼吸をしているのかどうかさえ判然としない。
 両手は固く握っているはずなのに、肘から先の感覚が曖昧で、実はまったく力が入っていないんじゃないかと錯覚する。
 ゆっくりと一歩を踏み出したつもりだったのに、体はつんのめって前向きに転んでしまった。
 自分が転んだその音に、ようやくその男は反応して、こちらの方に目を向ける。
以下略 AAS



261:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:13:06.86 ID:Trw4ei5x0





以下略 AAS



262:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:13:52.09 ID:Trw4ei5x0
 勇者の体から煙が噴出した。
 煙が噴出したところから肌の色は黒から元の肌色に戻り、背中から生えていた羽は文字通り煙のように消えていく。
 変化の杖の効果を解除した勇者の姿を、目の前の男は大きく目を見開いて見つめていた。

魔族A『に、人間だああああーーーーーーーーッ!!!!』
以下略 AAS



263:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:15:18.05 ID:Trw4ei5x0
「きゃああああああああああ!!!!」

 男の背後に控えていた、魔族母と魔族娘の叫び声が重なる。
 鼻っ柱にまともに勇者の拳を受けた男は背後に吹っ飛び、背中から地面に倒れた。

以下略 AAS



264:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:15:48.85 ID:Trw4ei5x0
勇者「謝罪とか、そういうのいいからさ……ほら、立てよ『伝説の勇者』」

 一転して、一切の感情が抜け落ちたように、勇者は抑揚のない声で男に話しかけた。

男「え…?」
以下略 AAS



265:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:16:29.30 ID:Trw4ei5x0



 走った。

以下略 AAS



266:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:17:12.67 ID:Trw4ei5x0
勇者「はひぃ、ひぐ、うっぐ、うぅ……!!」

 勇者は子供のように泣きじゃくっていた。
 嗚咽が止まないのに走り続けるから、息が乱れて呼吸もままならない。
 苦しくて苦しくてしょうがないのに、それでも勇者は走り続けた。
以下略 AAS



267:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:17:45.64 ID:Trw4ei5x0
戦士「はぁ…! はぁ…! はぁ…!」

 戦士は勇者の影を追って、魔界の荒野を必死に走り続けていた。
 しかしどれだけ周囲の景色に目を凝らしてみても、勇者の姿は見当たらない。
 完全に戦士は勇者の姿を見失ってしまっていた。
以下略 AAS



268:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:18:33.15 ID:Trw4ei5x0
勇者(……あれ?)

 ふと気付けば、勇者は部屋の中に立っていた。
 石造りの床に赤を基調とした絨毯が敷き詰められ、高さ2m超の本棚が列になって並んでいる。
 どうやらここは図書室のようだった。
以下略 AAS



269:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:19:08.23 ID:Trw4ei5x0
 風が吹いた。
 気付けば景色が変わっていた。
 緑の芝生が敷き詰められた公園。
 ここは豊作祈願の祭りや国の要人の冠婚葬祭など、色々な催事が執り行われる『始まりの国』の中央広場だ。
 そこに、国中の人間が集まって跪いている。
以下略 AAS



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