86: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:48:49.36 ID:gD1asC0l0
「―――」
「……あぁ、もちろん副隊長の指示もいい感じだよ!」
87: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:50:54.00 ID:gD1asC0l0
数秒の沈黙の後、口火を切ったのはロミオだった。
「――やる気が、ないだと?」
「取り消せよ……」
88: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:52:33.34 ID:gD1asC0l0
◇
何時かと同じく、暗く沈んだ雰囲気のラウンジ。
窓から見える空には例の赤い積乱雲が広がっており、このイレギュラーの出現によって、ロミオの捜索は直前で打ち切られた。
ジュリウスにも既に連絡はしてあるけど、あちらもほとんど同じような状況だ。
89: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:54:07.34 ID:gD1asC0l0
「……現在、ロミオの扱いは脱走兵、ということになるのでしょうか」
「脱走兵……!?」
90: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:55:24.81 ID:gD1asC0l0
そして、神機使いのアラガミ化という事柄に敏感な男が、ここに一人。
「……おい、少し付き合え」
91: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:58:07.24 ID:gD1asC0l0
◇
「――失礼しました」
92: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:01:01.50 ID:KfQkdvPD0
それはともかく、役員区画の廊下に出た私は、改めてギルに用件を聞く。
「ま、大した用事じゃないんだがな……お前には何かと世話になってるし、まだ素直に話せると思ったんだ」
「……正直、アイツには言い過ぎたと思ってる。すまなかった」
93: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:03:12.14 ID:KfQkdvPD0
弟。
自分の耳を疑ったけど、ギルが目深に帽子を被り直している辺り、その発言は真実のようだった。
「……家では一人、グラスゴー支部には先輩の神機使いばかり」
94: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:05:02.63 ID:KfQkdvPD0
「――大丈夫、大丈夫!今のでばっちり聞いちゃったから♪」
「……ギルも、しっかりロミオを想っていてくれたんですね」
95: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:06:28.76 ID:KfQkdvPD0
◇
アラガミの出現が確認された旧市街地にて、私達はロミオが脱走した時の顔ぶれのまま、1日ぶりに彼と再会した。
「……説教は後にする、まずは仕事だ」
96: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/04(金) 00:08:31.10 ID:KfQkdvPD0
◇
アラガミの討伐を終え、ロミオの元に私達が集まる。
今回の相手はガルム種と呼ばれる大型種別のアラガミで、嘗て私が対峙した"感応種"と系譜を同じくする、狼の姿を象ったアラガミだった。
他の系譜に連なる"感応種"とは何度か交戦したものの、件の狼型とは未だ再戦の機会がない。
類似した外見と、似通った戦法を用いる今回の大型種との戦いで、改めてそのことに対する不安がよぎったけど、
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