88: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:52:33.34 ID:gD1asC0l0
◇
何時かと同じく、暗く沈んだ雰囲気のラウンジ。
窓から見える空には例の赤い積乱雲が広がっており、このイレギュラーの出現によって、ロミオの捜索は直前で打ち切られた。
ジュリウスにも既に連絡はしてあるけど、あちらもほとんど同じような状況だ。
とはいえ、ロミオの腕輪に搭載されたビーコンの反応は既に確認されていて、迎えに行くこと自体は容易になっている。
……彼が"赤い雨"に曝されるか、アラガミに襲われるなんてことがなければ、だけど。
結局、腫れ物に触るような扱いで接していても、彼にとっては逆効果だった。
今回はギルの言葉でロミオの不満が噴出する結果になったけど、あのまま状況が進んでいれば、ロミオが自滅する可能性すらあった。
だから多少強引にでも、それこそギルの時のように彼と向き合わなければいけなかったのに、
私の弱さのせいで、こうして危険に晒すことになってしまった。
これでは副隊長として、立つ瀬がない。
――ここでの私の存在意義が、揺らいでしまう。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20