87: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/03(木) 23:50:54.00 ID:gD1asC0l0
数秒の沈黙の後、口火を切ったのはロミオだった。
「――やる気が、ないだと?」
「取り消せよ……」
「何?」
拳を強く固めたロミオが、そのまま距離を詰めていたギルを殴り倒す。
「っ……何しやがる!」
「……お前になんか、わかるわけないんだよ!!後から来た奴に抜かれまくってることなんか、この俺が一番っ!!」
「それでも何か出来る事はないかって……俺は必死に探してるんだ!」
「俺にはお前やシエルのような経験はないし……ナナみたいに開き直れるほどの大物でもない……」
「ましてやコイツみたいに!さっさと"血の力"に目覚めて、怪物みたいなジュリウスに肩を並べるなんてことも……!」
一瞬、私を見てばつの悪そうな表情をするも、堰を切ったロミオの激情は止まらない。
「俺だって皆の役に立ちたいよ!胸を張って、皆の仲間だって……!」
「……俺は役立たずで、どこにも、居場所なんか……なくて……っ」
やり場のない怒りを湛えたまま、ロミオは私やナナにも構わず、その場を飛び出す。
それきり、彼は神機も持たないまま、"アナグラ"をも抜け出してしまっていた。
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