287: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:12:59.80 ID:+LYcw3sno
「受容体?」
「正確には"感応波受容体"だな。詳しい説明は省くが、神機をチューンするには、そいつが必要になる」
「その製作にも、ある程度アラガミの素材がいるんだ」
288: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:16:23.04 ID:+LYcw3sno
「ふふっ……馴染んでるね、ギル」
「ん……まあ、色々と世話になったからな」
289: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:18:29.18 ID:+LYcw3sno
新たな才能の発掘に燃えるリッカさんと、それに満更でもなさそうなギル。
また蚊帳の外になった私は、あえて口を挟まず、彼らの様子を見る。
会話が進み、専門用語がある程度増えてきた頃には、入り込む余地もなくなった。
290: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:20:54.96 ID:+LYcw3sno
「――あ、そうだ」
「どうした?」
291: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:22:03.15 ID:+LYcw3sno
「……二人だけになっちまったな」
「……そう、だね」
292: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:23:09.15 ID:+LYcw3sno
「意外だったか?」
「……ちょっと、だけ」
293: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:24:09.02 ID:+LYcw3sno
ギルは、男性にしてはかなりの長髪だ。
そういう嗜好なのか、ただ無造作に伸ばしているだけなのか、それはわからないけど。
その髪質は、シエルのそれに勝るとも劣らないほど柔らかく、きめ細かいものだった。
294: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:26:57.85 ID:+LYcw3sno
顔から火が出るとは、こういう様のことを言うんだろう。
「ひゃあっ!?」
295: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:35:02.19 ID:+LYcw3sno
私の慌てぶりに却って冷静になったのか、ギルは緊張を解いていた。
私はというと、未だに自分の行動が信じられずにいる。
「よくわからんが、それならこのまま、話を続けさせてもらうか」
296: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:37:18.48 ID:+LYcw3sno
そう言って見せた自然な笑顔に、心が揺れる。
彼のこういった部分に、私は弱い。
素っ気ないのに、その実親身に接してくれて。
いつも仏頂面なのに、ふとした瞬間に見せる笑顔は、人一倍優しくて。
297: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/26(金) 14:42:21.98 ID:+LYcw3sno
……だけど、この想いは叶わない。
今だって彼の目は、私を捉えてはいないから。
その違和感の正体を知ったのは、ギルの記憶を垣間見た時。
彼はずっと、私の背後の、ケイトさんの影を追い続けている。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20