246: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/02(火) 00:48:39.93 ID:3UBu+Mb9o
「――絶対に、離れてあげないからね」
私の胸でひとしきり泣いた後、落ち着いたエリナは、改めて私の隣に腰を下ろしていた。
その間にかける言葉も見つからず、ただ黙するだけだった私に、彼女は構わず呼びかけてくる。
247: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/02(火) 00:56:29.54 ID:3UBu+Mb9o
「……さてと!」
視線を一瞬床に移した後、エリナが勢いよく立ち上がった。
248: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/02(火) 00:58:36.64 ID:3UBu+Mb9o
とりあえずこれだけ
マルドゥークにはもう少しだけ待っててほしい
249: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:08:12.12 ID:KGKozhNHo
◇
エリナと別れた私は、改めて先ほどの出来事を反芻する。
私とのつながりを意識していたのは、エリナだけじゃなかった。
250: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:11:16.25 ID:KGKozhNHo
違う。
私はただ純粋に彼らを助けたくて、信じたかっただけだった。
外に出て知り合った彼らは誰もが魅力的で、そんな人達が信頼関係を結んでいくのが嬉しくて。
人と関わることに慣れていなかった私自身も、徐々に変わっていった。
251: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:13:05.80 ID:KGKozhNHo
結局、一歩踏み出すのが怖いのだ。
ほんの少し前には、自然と出来ていた事なのに。
一たび自分が自分として彼らに近づくことを意識すると、足が動かなくなる。
252: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:17:29.06 ID:KGKozhNHo
◇
翌日。
"ブラッド"に向け、アラガミの討伐任務が発行された。
253: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:27:06.17 ID:KGKozhNHo
「でも、それもみんなから逃げてるだけだって気づけたから、私はここにいる」
「だから……今度こそ、あなた達を信じたい」
「どう扱ってくれても構わないから……ついていかせてください……!」
254: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:28:55.36 ID:KGKozhNHo
「……よし、何ともないな」
振り向かずとも、それはギルの手だとわかった。
5年もの間神機を携えてきた、温かくて大きい、彼の掌。
255: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:40:07.58 ID:KGKozhNHo
「没収!」
「あっ……」
256: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/19(金) 02:35:59.60 ID:FLcWsv7Mo
◇
――砂塵舞う、無人の居住区。
私達はあの時と同じ地に立つ、一体のアラガミと相対していた。
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