254: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:28:55.36 ID:KGKozhNHo
「……よし、何ともないな」
振り向かずとも、それはギルの手だとわかった。
5年もの間神機を携えてきた、温かくて大きい、彼の掌。
「わっ……!?」
それだけに止まらず、ギルは無造作に私の頭を撫でまわす。
こんな状況なのに、張られた反対側の頬まで赤らめてしまう自分が、情けない。
「言われなくても、こっちから引っ張り出してやるつもりだったよ……これからは頼むぜ、隊長」
当のギルは気にも留めず、やるだけやって、早々に出て行ってしまった。
複雑な感情を抱く暇もなく、次は私の番だと言わんばかりに、ナナが私の方に回り込んでくる。
「アイテム出して!持ってきてるでしょ?」
「えっ……ああ、うん」
別の切り口から攻めてきた彼女に言われるがまま、私は任務用の携行品をまとめて提示した。
それらをしばらく吟味していたナナは、あるものに見当をつけ、目の色を変える。
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