249: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/09(火) 00:08:12.12 ID:KGKozhNHo
◇
エリナと別れた私は、改めて先ほどの出来事を反芻する。
私とのつながりを意識していたのは、エリナだけじゃなかった。
彼女があれほどの怒りを見せたのは、私が倒れた後の"ブラッド"の反応を見たからだ。
私らしさ。いつもの私。
彼らが見ていたのは、神機使いになる以前の私でも、今の捻れた私でもない。
……そもそも、私は父との関係を支配だと認識したから、フライアに来たんじゃないのか。
彼の気を引く事に腐心して、諦めて、惰性だけで続いていた日常に苛立って。
だから、ラケル博士の誘いに乗った。
私は周囲の評価が欲しくて、ギルとロミオの仲を執り成そうとしたのか。
打算があって、シエルと友人関係になったのか。
見返りがあったから、なりふり構わずに彼女を助けたのか。
強引にギルの手助けをして、彼に特別な感情を抱くようになったのも。
ナナを信じて、仲間と共に迎えに行ったのも。
何もかも、己の存在価値を証明したくて、行った事なのか。
父の言葉に縛られた、一種の強迫観念からの行動だったのか。
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