586: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:36:41.59 ID:hFhRzfxk0
「……ねえ、奏」
「何?」
587: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:37:58.09 ID:hFhRzfxk0
「今日ね、二人、呼んだんだ」
「知ってる。差し入れ、来てたわね」
588: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:39:07.76 ID:hFhRzfxk0
――――
モノクロームリリィ。憧憬の形を示せ、というなら、ボクにとっての答えは彼女たちだ。
589: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:41:56.03 ID:hFhRzfxk0
「ボクは」
「…?」
590: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:43:29.98 ID:hFhRzfxk0
――――
「ヤバくない!? あれ」
591: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:45:33.91 ID:hFhRzfxk0
「え、えぇ……今になってそんな重大なこと……」
久美子のショックが大きい。軽く背中をさすってやる。
592: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:47:00.42 ID:hFhRzfxk0
――――
着替え、ヘアセット、メイク直し。全て終わって第二控室に入ったアタシを迎えたのは、一年半ぶりのメンバー。
593: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:49:34.90 ID:hFhRzfxk0
「流石に今回は許してよ。まあ、ほら。このステージはね、私の夢なのよ」
「夢」
594: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:50:34.52 ID:hFhRzfxk0
「三十路もとっくに過ぎたって、社長の肩書があったって、膝が壊れてたって、私は」
四人と、そこに居合わせたスタッフたちの顔を見渡した礼子さんは、静かに、諭すように言葉を紡ぐ。
595: ◆S0mvz1PntgQY[saga]
2016/09/20(火) 04:51:03.77 ID:hFhRzfxk0
アタシは、本番前だっていうのに、涙が止まらなかった。
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