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【剣と魔法と】ここだけ世界の境界線★24【光線銃】
- 614 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2019/05/09(木) 22:58:22.86 ID:KqMIPCQH0
- >>613
「成る程、成る程」
「ここ(エリュシオン)へは幾度か来てはいますが……」
その辺の教義だとか、信仰、宗教だとか
半人からすればイマイチ理解し難い部分に触れる機会は少なく、故に新鮮味は増している
「……色々と便利そうですね、わたし達からしてみれば」
精一杯言葉を選びオブラートに包み包み、苦笑ながらに隣を歩く
- 615 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/09(木) 23:08:41.90 ID:u1QrraDco
- >>614
「全くだ、前の街など酷かったからな。
私達を見た瞬間にいろんな門やら戸が閉まるとか酷い話だ」
越境者という根無し草に偏見があるに違いないと憮然としたポーズのイムカである。
なお、当の本人は自分に脅えの視線が集中していたことに気付いていません。
【すでに問題が起こっている村々には歓迎されたりもするのでウィッチャーっぽいの嫌われ様であった】
この都市の閑静な街並みは色々なトラブルに巻き込まれがちな越境者には丁度よかった。
モザイク模様のタイルで舗装された地面、水路のかかる石橋と彫像。一枚の絵画のような景観だ。
【この都市は観光都市としても知られており、さらに街は湖で囲われており、渡し船のみが行き来の手段となる】
水の精霊神の聖地ともされ街には巡礼ボンズの姿も多く見受けられた。
「エリュシオンも大概に広いからな。君も全てを回っているわけではないだろう」
越境者といえども案外にそういうものだ。
数多くの世界を巡ることと、数多くの世界を識っているということはイコールではない。
(私達からすれば便利そうか。なるほどな、確かに私達≠ヘ何かとトラブルに巻き込まれがちだからな)
と、うんうんと頷くイムカである。そしてトラブルを吸いやすいと思うタェンティースにちょっと同情の視線!
- 616 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2019/05/09(木) 23:18:55.01 ID:KqMIPCQH0
- >>615
「……なんでしたら、入都拒否も珍しくないですよね」
査定の時点でノーサンキューを突き付けられる事もなくはないだろう、きっと多分メイビー
「不思議と、落ち着きますね」
「偶にはのんびりとこう、観光をするって言うのも悪くはないかなーなんて……」
美麗なる水都市のせせらぎに耳を傾けてほうと吐息
年がら年中慌ただしいトラブルに巻き込まれている越境者達としては、このような瞬間というのは存外希少だ
「……?」
「ふふ、イムカさま、如何致しましたか?」
実際半人はトラブルに巻き込まれやすい系の体質ではある
しかしてそれ以上に、己からそれを引き起こしたりなんなら首を突っ込むタチではあるのだ
最もそれも、イムカの程では決してはないであろうが
そんな彼女の意図を感じる事は叶わず、視線には微笑んで応じる
- 617 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/09(木) 23:29:38.50 ID:u1QrraDco
- >>616
「何故か丁度、門が閉まっていて開けてくれなかったことはあったがな」
これはむろん皮肉である。あんまりな話ではないか。
なお、それをされる直前には結構アブナイなクエストに首を突っ込んでいたと記しておく。
【水産業が盛んで魚が美味いらしい。とくにスシなんてイケる…スシ?】
−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−
−−−−−−−
【と、言う訳で路銀稼ぎの情報集めがてらにスシ屋で食事だ】
ファンタジーの外見なのにスシ?などという無粋な事を考えてはいけない。
世界には世界それぞれの在り様があり、先入観で型にハメるのよくあっりません!!
「もぐもぐ、調べてみたらちょっとした問題が発生しているらしいぞ」
マグロスシを食べながらのイムカである。
スシはニンジャにとっても完全栄養食。味に意はないイムカも栄養なら実際歓迎。
- 618 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 :2019/05/09(木) 23:43:12.79 ID:KqMIPCQH0
- >>617
「……」
「……門が、故障してたんでしょうね」
この手の会話においてウィットに富んだ返答をユーモアたっぷり返す事が出来ない事を半人は悔やむ
今もそうだ、取り敢えず苦笑いと共に誤魔化すしかないのだから
んでもってスシ屋なう
「もぐもぐ……問題ですか?」
「……見た所、平和そのものに伺えましたが……」
順応性の高さは実際折り紙付きである半人
正常性をゴリゴリ削ってくるようなこの場においても問題は皆無
「え、あ、次、握るもの……?……えっと、あー……じゃあ、お任せで……お願いします……」
ただ、カウンター越しの職人との会話は無論弾まないが
- 619 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/09(木) 23:50:22.99 ID:u1QrraDco
- >>618
「なんというかな。タコ害が発生中らしい?こう、うねうねっと?」
手でうねうねゼスチャーをするイムカ。
なお、何故かニアが脳裏に浮かんでしまったが酷い冤罪である。
おバカな連想にイムカも首をちょっと振ってかき消す努力!!
「やたらと増えてしまっていい迷惑らしい。生態系にも影響が出るし、
小舟を転覆させにもかかっているようで随分悪質だ」
【やっぱり何故かタイドメイカーが小舟に貼り付いている絵が浮かんでしまいもう一度首を振る】
「おかげで下水道退治ばりに似たような依頼が盛況だそうだ」
と、捨て値同然のタコスシを頬張る。美味くて安い。
旅人にはありがたいが都市としては看過できぬのだろう。
「このケースは大抵、突然変異種の発生というのが定番だろうな。
何かの間違いでランクアップしすぎてクラーケンあたりにでもなっているのだろう」
- 620 :タェンティース・イルム E.月光.赤刃.ヘルメスの靴 [sage]:2019/05/09(木) 23:57:41.78 ID:KqMIPCQH0
- >>619
「……はい?タコ?」
思わず鸚鵡返して想像するのは無論だってんです
丁度スシを食べる寸前だ、そのまま固まり二度瞬き
「……それは、その……」
「……大変、ですね……?」
実際クラーケンとならば被害は恐ろしいものであろう
しかし半人の脳内ではニア顔のちっちゃいタコがわらわら大挙するイメージしか出来ずに同じく首を振り払拭を試みる
「まぁ、大きくなりすぎるのはアブナイですからね」
「……近々、美味しいたこ焼きを振る舞えそうです」
- 621 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 00:01:33.97 ID:5gjYjLuCo
- >>620
「だ、な。当面の指針にするとしようか」
と、イムカもタコスシをもぐもぐ食べながら頷くのであったとさ。
//いじょ!
- 622 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:02:17.87 ID:bNpxujls0
- ヒトの感情がエネルギーとなる世界。
その世界では感情エネルギーを制御する術を魔法と呼称している。
魔法への適性は女性の方が高く、それ故世界は女性優位である。
稀に生まれる適性の高い男性は勇者と冠され将来を有望視された。
ヒトの栄と共に魔法技術は栄えて幾千年。
時に魔法は戦争にも利用され、果ては魔物と称される兵器を作り出し世に放ってしまう。
放たれた魔物もまた滅びる事無く、ヒトの脅威としてあり続けている。
某国中央都市に構えられた国立学園アヴァロン。
未来のエリート魔法使いを育む為に設立された全寮制の広大な学園の外でも物語はある。
BB「此処に来るのも久しぶりだ」
メアリー「ふうん、来た事があるの?」
BB「コレの改良で何度か」
無難な服装の美丈夫然とした金髪碧眼の青年が
黄色い襤褸を纏った青長髪の色白裸足少女を伴い
一見すると矢鱈メカメカしい懐中電灯を腰にぶら下げ
周囲に田んぼが広がる田舎道を行く。
某所の田舎であるが、此処には知る人ぞ知る魔道具の名工が住んでいる。
故にこうして稀に越境者が出向くこともある。
まあそんなこと知らずに何かの縁で越境してくるモノもいるのだが。
さて、周囲にいる越境者はどんな事情で此処にいるのだろう?
- 623 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 22:09:35.23 ID:KxNjYD67o
- >>622
≪0001111010101≫
とりあえずBBの頭にヌタっと鎮座しますはサーボスカル。
人間の頭蓋骨そのまんま使っているドローンゆえ、ある意味でゴス・ファッションぽくもあるよーなないよーな。
≪00001111110101≫
何故ここに居る?的な説明も必要っぽいので己の言葉でちゃーんと語る礼儀正しさだ!
≪00001111100011≫
とりまメアリーの皺をのばそうとホカホカアイロンを取りだしつつ、
マニュピレイターをうみょーんと伸ばしてB5サイズハードカバーを懐からごそごそ。
- 624 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:21:16.84 ID:bNpxujls0
- >>623
メアリー「いやーん」
楽しそうにサーボスカルに捕らわれるB5サイズ。
BB「…何で連れてるんでしたっけ、ま、いいか」
考えて分からない事は考えない、切り替え上手のBB君の処世術である…処世術?
一行は田舎道を只管進む。
偶に羽の生えた蛇やら目から石化ビームを放つヒト以上の大きさの鶏とかが湧くが
「魔物だ」「魔物だわ!」とB&Mがワンパンでのしていくので描写の余地がない。
そうして一行は都会では洋式の建物でごった返す世界で
ザ・日本家屋、みたいなそこそこ大きめの一軒家の前についた。
表札には『びびあん』と達筆な平仮名が掲げられていた。
- 625 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 22:27:41.56 ID:KxNjYD67o
- >>624
≪000111110011≫
紙が痛まぬよう細心かつ迅速なるアイロンさばきを見よ!
ページに折り目・皺ひとつないピッカピカやで!!
≪0001111100101≫
そしてBBにも改めてこれまでの経緯を口頭で説明する律儀なるサーボスカル!
−−−−−−−−−−
−−−−−−−−
−−−−−−
B&Mというカラフルなチョコレート菓子みたいな名前の同行者たちの活躍もあり
快適なる旅路が約束された道中、サーボスカルも負けじと縦回転ぐるんぐるんに余念なし。
と、まあ、そうこうしているうちにびびあん≠ネる表札のおうちにたどり着き、
「んっ?遅かったな」
と、軒先でおーいお茶を飲んでいたイムカとも合流!!
- 626 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:40:37.52 ID:bNpxujls0
- >>625
BB「コンビニが片道30分圏内にないもので…お待たせしました」
BBなりのジョークを飛ばし、とりあえず何故居るとかそういう突込みは封印する流浪の騎士。
メアリー
「おかげでピカピカよ!
…あれ?魔導書って少し小汚い方がらしいんじゃないかしら?」
魔導書ファッションなんて共感できるものがマイノリティな疑問を呈すB5少女。
「で、綾鷹あった?」
BB「…生茶なら」
軒先にはイムカの他に甚平を纏う黒長髪のネーチャン。
若く見えるが中身はBBA、名工と一部では称される『びびあん』である。
びびあん「しょうがない、我慢するかー。あ、クラウソラス改良費は前回の二割増しなー」
BB「許されなかった!」
びびあん「で、イムカちゃんは何をご所望だっけ?オネーサンど忘れしちった、てへ」
BB「…」
びびあん「三割増しな」
BB「何も言ってないのに!?」
- 627 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 22:48:47.43 ID:KxNjYD67o
- >>626
何故イムカがいやがる?人間むやみに深淵には手を突っ込まない方がいいという好例であった。
「魔導書を名乗るなら人の皮のハードカバーとか人面ぽい装飾とかそっち方面になると思うが?」
なんとも不気味な例ばかり出しやがるイムカである。
なお、レプリカントめいた白の書は魔導書としてはサイコーだと思う。
【ちなみにびびあん殿と同様にイムカも大概アレだ!平均年齢が理不尽なる急上昇をはたす!!!】
「リ・エグザイルの調整だ。私ではメンテナンスもままならないのでな」
イムカが片腕に着けている霊銀の腕輪。
よく見ればマスタールーンがビッシリと彫られたミスリル製のブツだ。
【出自が聖剣(破損)と聖鞭(破損)の混合物というワケのワカラン代物】
【→エネルギーを増幅・軌道変更・転送機能を持つ破邪属性のアイテムである】
- 628 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 22:59:02.79 ID:bNpxujls0
- >>627
メアリー「!」
BB「いやその手があったかみたいな顔をされても…」
B5少女は乗り気であるが、そんな禍々しいブツを
態々専用の収納までこさえた懐に持ち歩きたくない青年。
びびあん「あ、そーだった、そーだった、任してお代は其処の坊主持ちで良いし」
BB「特に理由のない出費が財布を襲う!?」
びびあん「甲斐性見せろ、男だろー」
BB「あ゛ー…」
一切の抵抗を諦め手を上げる青年。
慣れたやり取りなのか別に気にする様子もなく。
びびあん「んじゃちょっと待っててなー、すーぐ終わらせるから」
そう言って離れの作業場に向かう名工。
ちな立ち入り禁止である。
一度名工の手腕を拝もうと某黒服集団が押入った所、
一瞬にして全員のサングラスが割れスーツが弾け飛んだ。
- 629 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:03:51.10 ID:KxNjYD67o
- >>628
「ふむ、BBの心遣いをありがたく受け取っておこう」
ナムサン!イムカもびびあん殿に乗った!!
これにてBBの懐はマッポーめいた時代を迎える!!
【そうして、なにやら秘密な工程を始める匠。
一時期悪乗りしてデザイナーを騙る素人にやらせた
ビフォーアフターな悲劇が起きぬことを祈るばかりである】
≪00001111010101≫
元々偵察・観測ドローンであるサーボスカルは
その赤裸々なるヒミーツを白日の下にさらさんと色んなレーダーやらカメラをズーッム!!!
【帝国の密使としては色んな技術を収拾しているからNE!!】
- 630 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:09:30.06 ID:bNpxujls0
- >>629
ズームしたカメラの先に移る映像は真っ黒だ。
別に映像が映っていない訳ではない、ちょっと引きで撮ってみようか?
……
………うん、これ誰かの目だわ。いきなりドアップだったんで黒かったんだなー
で、何故未だに一つの目しか映ってないんだろうか瞳孔めっちゃ開いてて怖いんだけど。
「み る な」
ブツン、映像はそこで途切れた。
メアリー「あーあ」
何かを察したのかB5少女がサーボスカルを憐れむ。
- 631 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:13:20.34 ID:KxNjYD67o
- >>630
≪001111101010101≫
途端、サーボスカルはけもの友達の熱烈な1期ファンが、
2期を見てしまったのと同様の反応を起こし、激しく横回転を始めた!!
≪000011111010101010≫
ヤサシイセカイヲカエシテクレー!カバンチャーン!!めいて、ついには墜落!
地面にゴロリと横たわった!ショッギョムッジョ!
「BB、ドローンとかマスコットってどれもこれもアレなのだろうか?」
メアリーを一瞥しつつ頭を抱えるイムカである。
アキレス付きのベティもどっちか主人でどっちがペットめいているし、
なんかふつーに忠実な我がサーヴァントとは無縁なご近所事情である!!
- 632 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:21:53.00 ID:bNpxujls0
- >>631
メアリー「好奇心猫をコロコロ。安心して私もコロコロされそうな時があった」
なので今回は自重しただけで、サーボスカルがいなかったら自分がこうなってたなーとか思うB5。
転がるスカルを抱き上げ赤子をあやすようにゆらゆら左右に振った。
BB「さあ如何なんでしょうか?メアリーは割といい相棒してくれていますよ?」
メアリー「どやぁ」
ドヤ顔決めてメカしゃれこうべを抱く少女。
BB「しかしまあ何でこんな所に住んでるんでしょうか?腕はいいのに」
それこそ新進気鋭の学園の教授として迎えても良い位にはびびあんの名は知られている。
本人がそんな話をしたことはないが…
- 633 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:25:49.19 ID:KxNjYD67o
- >>632
「月並みな憶測だが世俗がどうとかややこしくなるからじゃあないか?」
地位には責任が伴うし、どんどん不純になっていく心地を味わう羽目にもなる。
そこはまあ、実際経験者としてイムカも避けて通れなかったところだ。
【卓越した才能だけで好きに生きられるほど、世界は優しくも甘くもない】
「それに私も他人のことは言えないが外見はともかく中身は結構な年齢だろうに。
楽隠居を決め込んでもさしておかしくはあるまい」
- 634 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:33:01.88 ID:bNpxujls0
- >>633
びびあん
「しっつれーな、まだまだ現役でスウィーティーですー
都会だと煩いのが一匹、四六時中付きまとって鬱陶しかったんだよなー」
作業を終えて品物を手に戻ってきた名工。
大丈夫、腕輪の外見は変わってない!!
BB「え、ストーカーですか?」
びびあん
「ある意味そうかもなー、マギカギア開発時期に何処から聞きつけたのか
『モット良いモノに出来る』って、自分を売り込んでくるんだよ…はぁ」
BB「あー…それは又、で今は?」
びびあん「此処に来てからは一切見てないし気配も感じないな、そいつの事は」
BB「厄介なヒトもいたもんですね」
びびあん「いやマジ何なのアノ獣」
BB「ん?」
縁側に座り込み、煎餅と茶を飲み食いし始める名工。
- 635 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:41:45.70 ID:KxNjYD67o
- >>634
「私も現役だぞ。こちらはスイートどころか枯れているがな。かんっぺきに婚期も逃した」
びびあんの隣で茶を飲むイムカ。
BBはかくと見るべし。あまり荒事やら才能にばかり引っ張られるとこんな人生になっちゃうよ!!
悪い見本を見て、よりよい生き方を模索したまへ若人よ!!
【とりあえず、返ってきたリ・エグザイルを改めて吟味】
「知恵、生命、信頼、勇気、秩序、至誠、創造、厳格、理性、節度、
調和、結合、解放、変化、幸運、意思、制約、寛容、公式」
ルーンの起動状況を一つ一つチェック。
実際、ちゃーんと正常動作してくれるのかしらコレ。
(獣か。まあ、私には関係のない話だな)
別段、突っ込んで聞く必然もあるまいと割り切るイムカであった。
- 636 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/10(金) 23:48:30.64 ID:bNpxujls0
- >>635
びびあん「駄目だよイムカちゃん。子供産めるうちは現役!」
BB「…」
びびあん「4割」
BB「尚産めるかどうかは別問題とか思ってませんけど!」
びびあん「4割増しぃッ!」
BB「理不尽!」
尚、腕輪はちゃーんと正常動作してくれました。
ただ、1g程重くなっております。気づくかどうか。
メアリー「概念いっぱいね、舌噛みそう!」
イムカのチェックを興味深げに見やるB5。
- 637 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/10(金) 23:57:19.03 ID:KxNjYD67o
- >>636
「遺伝種子受領時に生殖能力も無くなっているのだが…」
ナムサン!びびあん殿はイムカにトドメを刺した!!!
そしてBBの受難についてはスルー!別に根に持っているわけじゃあないぞ!!
【なんたるグッダグダか!!ケムリクサ生えるレベルのアレである】
「おい、少し重いぞ。何かやったか?」
とーぜんながら気づくイムカである。
装備の変化が生死に直結しかねないから当たり前であった。
「実際、無駄に多くて好かんがな。よくこれで吹っ飛ばないものだとは思う」
ルーンも多ければいいというものでもない。
複雑な絡繰り細工めいて、概念と概念が入り組んでいる様は戦場暮らしが長いイムカ的には不本意だ。
基本的にシンプルな方が強いというのがイムカの考えゆえ。
- 638 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/11(土) 00:11:27.65 ID:hheSJ4GI0
- >>637
びびあん「そいつぁノンスウィーティーだ…」
BB「…」
こうなってはフォローもできやしねえ!
びびあん
「おっと、説明忘れてたよ。
それは君が言ったように複雑怪奇な代物だ。
んで持論だけど兵器に必要なのは安定性。
この世界でソレを使うかどうかは神のみぞ知るって所だろうけど、
いざ使うってなった時に思ったように動かないじゃあ困るだろ?
てな訳でチョイと付け足し。つっても表面に作動が安定する
概念コーティング施しただけだから要らないなら元に戻すけど?」
BB「ええと、コッチは?」
びびあん「考えるな感じろ」
BB「ふわっふわだぁ…」
- 639 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/11(土) 00:21:23.24 ID:w7Ei1mEIo
- >>638
「まあ、多少は安定してくれるなら言うことはない」
何せ使い手のイムカ自身が魔力を保有していない上に
ルーン刻印が複雑すぎるのもあって、安定性は酷い有様なのだ。
さほど期待はしていないがマシになっているならそれに越したことはなし。
【とりあえずガントレットの上から茨のような形状の腕輪を改めて装着】
≪00011110110101≫
復活したサーボスカルがチェーック!!
バランスを担う調和(サガス)/正位置(マルクト)のルーンの力が強化されたようだ。
「まあ、来た甲斐はあったかな」
と、BBのほうも見やればあまりにもふわふわな返答と来た!!
「あー、一応はそちらも説明してくれ。同じ仕事をされたものとして気が気ではない」
自分のもほんとーに大丈夫?的な不安を感じるアレねアレ。
- 640 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/11(土) 00:31:45.60 ID:hheSJ4GI0
- >>639
びびあん「えぇ?いやこっちは完全に趣味で中身入れ替えちゃったからなあ」
BB「うっわ、前々からバラす度に説明書の内容変わってると思ったら」
びびあん「ご所望の品にするのに段階が必要なんですー」
BB「はぁ、前にせつめいありましたね、そういえば…完成したんですよね今回で?」
びびあん「そいつはもう、完璧に。付属の説明書にも完成品って書いたし」
BBはクラウソラスを振るう。
BBがそれを振るう姿をイムカがまじまじ見たことはなかろうが、
見るものが見れば変化は一目瞭然。
照射部分からは光芒が発せられ刀身を形成するのだが、
起動直後は松明の炎程度のサイズであった刀身が振るった瞬間に大きく伸びる。
BB「…負担が減りましたね」
びびあん「省エネに加えて最大出力も上がってる筈、まあそこは使い手次第」
- 641 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/11(土) 00:35:58.41 ID:w7Ei1mEIo
- >>640
≪0001111010101≫
とりあえず付属の説明書に100円ライターでシュボしているサーボスカルを尻目に、
「基本的に効率化重点ということか。なるほど腕は確かなようだ」
ここで人格はともかくと口を滑らさないやさしさがイムカにも存在した。
「んっ、助かった礼を言う。代金はBBから受け取ってくれ」
なお、4割強マシマシの奢りであった「。ナムアミダブツ!!!
- 642 :魔法少女世界 [sage]:2019/05/11(土) 00:40:42.14 ID:hheSJ4GI0
- >>641
BB「やめてっ!」
説明書大事、尚デジタル他別媒体もある模様、製作者は言わないが。
びびあん「毎度ー。仕事ぶりが気に入ったら今度は私の商品も買ってほしいなー」
通販はしていない模様。
こうして越境者は只で装備品のふんわりなアップグレードを果たしたのだった!
尚皆の財布ことBBは暫く鬼気迫る仕事っぷりを果たした、果たさざるを得なかった!
//おしまい!
- 643 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 21:48:30.76 ID:wAy9r51v0
- 日常生活とは、毎日繰り返される生活のこと。
具体的には、日々の生活の中で繰り返される出来事や習慣的動作、
そこで用いられる物の考え方や知識、接する物品などから構成される。
シュヴァイン「…」
例えば2mを超える筋骨隆々な体躯と身体のバランスから言えばやや長く太い腕が特徴的であるが、
そもそも突き出た下顎から覗く左右の太い牙や膨れた腹、豚鼻を有しながら
全体的に悪くない顔立ちが悪目立ちしている緑色の肌に獣の様な目を有する男の場合、
矢鱈とデカいフライパンに独自ブレンドのペーストをしいてから米をぶっこむだけの炒飯を
場所こそ問わないが朝食として作ったりする。
ドン、ドン、ドン
例えば耳の部分と背の辺りから小さな羽が生え、
風もないのにゆったりうねる金の長髪と赤の瞳を持つ少女は
そういう時に決まってカラの皿をテーブルに置き椅子に座ってスプーン片手にテーブルを打ち鳴らす。
例えば稲穂色な板状の地面に着きそうな程長い大量の触手っぽくウネる髪に
小麦肌で燃えるような赤い瞳で不敵な笑みを絶やさぬヒトの容をしたモノも
それにならい同じことをしていたりする。
何時からか正確な日時も思い出せないが、
大男が独自炒飯を作り出すと何処からともなくこの二名が湧くようになった。
シュヴァイン「…エンゲル係数がヤバタニエンなんだが?」
誰か助けて、大男は声にこそださないがこの状況を解決したい。
こういう時にこそ優秀で頼りになる越境者が通りかかるのだ、俺は詳しいんだ。
- 644 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 21:58:56.47 ID:wiKJf3Ud0
- >>643
「何してんのオメーら」
呆れた。心底呆れ果てたような、それでいて困惑も若干混じったような声音で、ソーマタージは尋ねる。
煙草を咥えるその恰好は、背中に力強いミンチョ体で『摩天楼』と書かれたパーカーとスウェットという、シンプルなもの。
傭兵は不定休だ。特に越境者となれば。今日も明日も休みなのでのんびり過ごそうとした矢先にこれである。
「別の物作る試みはしたのか?お前のその粗末な…焼き飯?に釣られてるだけだろ?」
彼女らに倣い、空いてる皿とスプーンを取ってくれば、テーブル席について皿をチンチンと打ち鳴らす。お下品!
「何だよ?腹減ってんだ、同じシチュに居合わせた者同士コミュニケーション取ろうよ!」
- 645 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 22:07:28.31 ID:wAy9r51v0
- >>644
シュヴァイン「おい、大人」
きっと二人を諫めるのだろうと話を聞いていた大男。
しかしその幻想は儚く消えた。
シュヴァイン
「俺が食いたいものを俺が自分で稼いだ金で作ってんだ、そこに何の落ち度があるよ?
そんで毎度目の前には腹の虫鳴かすガキ2名がモノ欲しそうに炒飯見てんだよ。
普通作るだろ?誰だってそーする、俺だってそーする。普通じゃない奴の意見は聞かねえ」
そう言いながらフライパンの炒飯を3つ並んだ皿に盛る大男。
シュヴァイン「…俺の分ねえじゃねえか!」
尚盛られた炒飯は山盛りのもよう。
- 646 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 22:16:37.85 ID:wiKJf3Ud0
- >>645
「おっと心はティーンエイジだぞ」
チッチッと指振り。儚く霧散する幻想を後目に、盛られた炒飯をいただく。
「中身が無いのはお前の儲けの表れだろうからいいけど、もうちょっと塩強い方が俺好きかな」
「オラ作んねぇだ」
普通じゃない男の彼的には普通な意見。赤の他人のガキの分までいちいち作るから悪いのだ。
「そこで作るからお前さンは舐められんだよ。大人だろ?
お前に食わせる炒飯はねぇの一言ぐらい言えねーのか?話はそれからだ」
彼の提案は心を鬼にしろというもの。野生動物にしろ他人のガキにしろ、何も考えない施しは何も生まない。
後から返せと言われないよう、皿を持ち上げガーッと一気に食べ尽くし、食後のお茶を啜りながら言うのであった。
- 647 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 22:25:10.33 ID:wAy9r51v0
- >>646
シュヴァイン
「情けは人の為ならずって言うだろうが。
後、その心理状態を世間一般ではマダオと表するんだぞ」
がっしゃがっしゃ、大男自分の炒飯を作りながら。
ウイング「…ご馳走様でした」
パッパルデッレ「ごちそうさまでした、ミシュランもびっくり、萬國驚天掌」
シュヴァイン「おう、文句言わず食って礼が言えるだけマダオよりましだな」
げふっとガキ二名は満足した様子。
ふぃー、と息を吐き椅子にもたれかかっている。
- 648 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 22:39:23.64 ID:wiKJf3Ud0
- >>647
「その言葉、回り回って自分のためになるって意味らしいぞ。そいつらはお前に何かしてくれたか?
…つーか、お前がそれでいいんだったら、それこそ俺が何か言うまでもねーじゃねーか!」
自分の分を作るその様子を眺め、食後の一服。紫煙を窓の外に吐くぐらいの常識はある。
何かに気づいたように指差し、どっちかにしろと怒る!
「エンゲル係数マシマシだ、やったね」
「今時飯をうまそーに食うヤツはモテるぞ。よかったな」
マダオと言われても開き直る、所謂無敵の人状態。言われ慣れているのでつよい。
満足したガキ二人にヒラヒラと手を振れば、一応言われた側としては動いてやるかと姿勢を正した。
「なんでわざわざこんなヤツにたかるんだ?もっと別のところあるだろ。
特にお前。お前スパゲッティ側だろ。小麦製品食え小麦」
- 649 :ヘイズ :2019/05/15(水) 22:40:51.08 ID:AFn+AYLZ0
- >>646-647
ガロガロと耳をつんざくようなV6エンジンの凶暴な排気音が響く。
一度やかましく吹け上がって止まるそれは、新顔の越境者がやってくる訪れだ。
ジョシュアの生き別れた弟であるヘイズは、凄腕の越境ドライバーである。
「おいすー、あんたらもメシ?」
愛車のマスタングから降りると、後ろにゾロゾロとお供を連れて紙袋片手にやってくる。
巨大な鎖斧を砂の上で引きずる女と、若いゴールデンレトリバーと。
食料や日用品を買い出しに行っていたようで、床に置いた袋からはぽろりとトマトが溢れる。
「兄貴もチャイニーズ好きだけど、俺はタコベルの方がいーな」
「――うゥ」
テーブルの上のチャーハンを見つめて目を細める。炭水化物なら断然メキシカンなのだ。
彼に付き添う相棒のナルも同じようで、チャーハンを眺めながら小さく唸った。
- 650 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 22:51:39.82 ID:wAy9r51v0
- >>648
シュヴァイン「あ?そうだな…いや、思いつかねえ」
遠い未来では何かしてくれる可能性も微粒子レベルで存在しているかもしれないが
今現在までで考えれば一切そういった事はない。
シュヴァイン「それとこれとは話が別だ。エンゲル係数の問題は解決せにゃならん」
大男、お仕事はそれなりにやっている模様、実際に見かけた事は数度しかないだろうが。
ウイング「ふーん」
パッパルデッレ「じゃあもっと食べるべき、でも食べすぎはレッツピグレッツ」
モテに興味なさそうなガキ。花より団子。色気より食い気。
ウイング「美味しいから」
パッパルデッレ「小麦は別腹」
理由はいたってシンプルだった、パスタはおかしいだけだった。
>>649
シュヴァイン「悪いが今日はもう米が尽きた…今から炊いたら中途半端な時間になるしな」
自身の分の炒飯をかきこみながら大男。
ウイング「たこべる?」
パッパルデッレ「蛸に鈴?」
タコベル知らぬガキンチョ、首をかしげる。
- 651 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 23:01:23.11 ID:wiKJf3Ud0
- >>649-650
喧しいエンジン音。首を回してみれば、ジョシュアの弟。
兄弟揃って越境者というのも中々珍しいのですぐ覚えた。手を軽く挙げて挨拶。
「そんなところだ。 アレない?あのアメリカの警官が勤務中にマズそうに食ってる中華詰まった箱」
「じゃあ、やる事は決まったな」
親指を外に向け、叩き出せとジェスチャー。正直言って二人とも恩を返すタイプには見えない。
可愛げのないヤツら、とウンザリした顔で一瞥するのだった。
「な?作るだけ損だぞ。 お前女騎士に殺せって言われそうなツラなんだし、自分の分だけ作ったって誰も文句言わねーと思うぞ」
- 652 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 23:14:24.41 ID:wAy9r51v0
- >>651
シュヴァイン「損得だけで判断できたら苦労しねえんだよなぁ…」
がりがりと頭をかく大男。
見た目に反しお人よし、後ガキに甘い。
だが対象のガキに至っては1人は企業の兵器。
1人は……これは何なんだろうな?
確かに恩を返すどころか仇になる可能性すらある。
シュヴァイン「女騎士…くっころ……はぁ、田舎帰るかな」
何か嫌なことを思い出したようで、突然のホームシック。
- 653 :ヘイズ [saga]:2019/05/15(水) 23:14:57.16 ID:AFn+AYLZ0
- >>650
「タコベルはタコベルだよ、メキシカンは魔法のメシだ」
「小麦でできた生地の中に同じ種類の具材を挟むだけで20種類の料理が出来るんだ」
本人の言葉通り、中華はあまり好みではなく、チャーハンは元より食べるつもりではなかったようだ。
ヘイズの分がないことについては、あまり残念そうなリアクションも見せなかった。
「タコス、ブリトー、チミチャンガ……」
指折り数えて似たようなメキシコ料理の名前を羅列し始める。
10あたりを過ぎた所で止めないと、そのままレパートリーがなくなるまで聞かされ続けることになるだろう。
>>651
「ねーよ、チャイニーズは苦手だっての!」
「……!、あー……」
代わりに取り出したのは噂のタコベルの袋だ。
匂いを嗅ぎつけてそわそわしだすのは犬のレックスと、もう一匹の犬であるナルだ。
包帯の隙間からギザ歯を覗かせ、ヘイズの腕にしがみついている。
「タコベルの話題を出したのも、さっき実際に買ってきたからだしね」
足元をレックス、腕をナルと二匹の"犬"にまとわりつかれながら、ヘイズはそのままタコスを口へと運んだ。
ヤツらは既に我慢できず、車の中でたらふく食っているのである。
- 654 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 23:17:48.64 ID:wAy9r51v0
- >>653
ウイング「ほう」
パッパルデッレ「ほうほう」
興味津々のガキ二名。
食に関心は高く、嫌な顔せずに話に耳を傾けるだろう!
シュヴァイン「…」
もっしゃもっしゃ、大男は無視してソーマタージとだべりつつ飯を食っているが
- 655 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 23:25:22.03 ID:wiKJf3Ud0
- >>652-653
「ま、思う存分悩めばいい。俺の事じゃねーし。
人間性を抱いて溺れ死ぬか、捨てて焼け死ぬか。お前の勝手さね」
特によく分からない方を見ながらの言葉。情けをかけていい事があるとは思えない。
「何かコンプレックスを刺激したみたいでゴメン」
「知ってる。承知の上で聞いた」
あっけらかんとヘイズには言い放つ。性格が悪い!
彼の腕にしがみつく少女を見て一瞬ギョッとした顔。何か思うところがあるのか、懐から出した角砂糖を撮んで差し出してみるテスト。
「…お前も? いや、やっぱいい」
尚、砂糖をあげるつもりは無い。ヒュッと戻しては差し出すのを繰り返すだろう。
- 656 :ヘイズ [saga]:2019/05/15(水) 23:40:38.71 ID:AFn+AYLZ0
- >>654
「味は激甘からピリ辛まで、ソース次第で何にでもなれる変幻自在、食品界の魔術師だ」
「中でも兄貴が作る激辛ミートタコは……うまい。ほっぺたが落ちそうなくらいうまい」
ヘイズは最近兄であるジョシュアと再会したが、永いブランクを挟んでもなお兄弟関係はギクシャクしていないようで。
メキシカン好きが高じてかよくジョシュアにテクス・メクスを作ってもらっているようだ。
声高らかにメキシコ料理への愛情を語りつつも、素知らぬ顔の大男の反応には少し寂しかったり。
「あのオッサンは聞いてないフリをしてるから、きっと中華党なんだ」
それから声をひそめると、ちびっ子二人に耳打ち。
>>655
「う、うおお……っ」
角砂糖を見るなり眼を輝かせるナル。謎の甘味を凝視する彼女をヘイズは物珍しそうに眺めていた。
「珍しいな、ナルが俺以外の人間に懐くなんて」
「こいつは……脚を無くして、素っ裸で死に掛けてるのを拾ったんだ」
「喋れないし、すぐに人を襲うし、ヨダレも垂らすけど……悪いヤツじゃない、俺には分かる」
一見して分かるかもしれないが、ナルは明らかに異能の作用と外部からの手術の果てにこのような状態へと変貌している。
元が人間だったのか、それとも初めから対異能生体兵器として設計された素体なのかは分からない。
しかし様々な修羅場を潜り抜けた上で、今安らぎに満ちた生活を送っている彼女の表情は、とても幸せそうなものだ。
- 657 :日常世界 [sage]:2019/05/15(水) 23:46:41.56 ID:wAy9r51v0
- >>655
シュヴァイン
「いや、一度出直すのもありやもしれん。
少なくとも今の暮らしを続けてたら素寒貧間違いなしだからな…」
盛大に溜息を吐くと炒飯をかっこむ大男。
>>656
ウイング「ほうほうほう…そうなの?」
パッパルデッレ「ほーほー……食に貴賎なし、おっさん金なし」
W&P「「でも美味い飯作るから良いやつ」」
餌付けは人知れず完了していた。
>>655>>656
シュヴァイン「よし、そうと決まったら荷物まとめるか、ほれ散った散った」
マジで帰郷するつもりらしい。
私物は少ないので半日程度で越境するだろう。
- 658 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/15(水) 23:58:31.95 ID:wiKJf3Ud0
- >>656-657
「ネーこれ本当に懐いてるの?」
サファリパークを思い出す様子に思わず聞き返す。差し出しては引っ込めるなんてイジワルしてるくせして。
飽きれば梱包を解き、ちゃんと与えるが。無事でいられたらだけど。
「見たところ、どっかで実験台に使われて棄てられたか。よくある話だな」
人を襲うのはどうかと思うぞ、と付け足しながらも様子を見る。全身の包帯は怪我を隠す目的には見えない、一部はまだしも殆どファッションか何かか。
非人道的な所業を怒る資格は無いが、安らぎを感じている様子に安心する事ぐらいはいいだろう。友人の弟の仲間ならそれはもう実質ギリギリ友人。静かに笑ってその様子を眺めた。
スクラップヤードに置いてきたリビングデッドの少女の事を思い、どこか憂慮の混じった笑いだった。
「ナルステイ!ダメナルダメ!」
角砂糖をダシに、指でバッテンを作ったり小さく叱ったりして思いっきり躾けようとしている!それはそれ、これはこれなのだ!
「いや、やっといた方がいいかなって…」
「行動力の化身」
そして大男の方は、荷物を纏める様子に閉口。いい事なのか悪い事なのかは知らないが、本人がいいならそれでいいのだろう。
食休みを済ませる間も無く、追い出されるのであった。
「土産は香水とか香木でいいよ」
- 659 :ヘイズ [saga]:2019/05/16(木) 00:11:52.97 ID:OcjU5hjL0
- >>657
「胃袋掴まれてんのはウチもそっちも同じだなぁ……」
大男に懐く二人を眺め、自らと連れの犬たちとの関係を重ねてしまう。
まぁ関係性としては、どちらも間違ってはいないのだろう。
しかしヘイズとしては、ファミリーのつながりが『うまい飯』だけに留まらないものであってほしいものだと。
物言わぬ二匹へ振り返ってそう思うのであった。
>>658
「おい、あんまナメた振る舞いは……」
「……むぅ」
角砂糖を貰えた直後は嬉しそうにそれを舌の上で転がすナルである。
しかしソーマの扱いが躾めいたものであると悟れば徐々に態度が変わってきた。
お世辞にも知能が高いとは言えないが、ベースは人間。社交性はそれなりに高い。
故に、ソーマの振る舞いが敬意に欠けたものであるということくらいは彼女にも分かるのだ。
「んが」
つまり態度を改めねば、数秒後には鋭いギザ歯が、ソーマの指に食らいついていることになるだろう。
ナルは単純だがプライドが高い。まるで猟犬の如き性格の持ち主である。
- 660 :日常世界 [sage]:2019/05/16(木) 00:17:22.99 ID:VA6PDAGA0
- >>658
因みに…ガキ二人も角砂糖の動きに合わせて目が動いていた。
まったくもって意地汚いね!
シュヴァイン
「んな上等なもん集落にあるわけ…いや、如何だろな?
タイミングとして荷馬車でもブン捕ってりゃワンチャンかもしれん」
背中に丸々としたデカイ風呂敷括りつけて大男。
シュヴァイン「ま、期待しないで待ってろ」
>>659
パルパデッレ「安心しろ、飯だけで靡く様な神だったら改宗していい」
何をどう安心しろというのか意味不明なことをいうモジャ髪少女。
だと言うのに不可思議珍妙極まる存在のその眼だけは真剣であったそうな。
//といった感じで失礼しますのだ お疲れさまでした
- 661 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 22:06:32.79 ID:Q5if+MqPo
- 【ひまざむらい】
俺達はメトロで拙い酒と肉で腹を満たした後、物資を抱えてキャラバンに同行することにした。
旧世界の地下鉄トンネルを徒歩で移動するというのはどうにも妙な気分にさせるものだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【ウェイストランドにて――】
うんざりするような重汚染もメトロの内部ではどうにか食い止められている。
レスピレーターとゴーグルの要らない環境というのはその薄暗さを引き換えにしても
なかなかに快適と言えるだろう。
【キャラバンは多くが人力レールカーに荷物を積載し、その周囲を護衛役が護るという構図だ】
【→数はおよそ12人前後、越境者達はこれに便乗して移動するということだ】
「一応、護衛も兼ねているということでキャップも貰っているからな」
まとまった数での移動+手間賃も貰えるのだ。便乗しない手はないということで。
【当然ながらメトロトンネルは非常に暗い。自然光など差す余地はない】
【→レールカーに備えられたランプと照明役の掲げる角灯の頼りない明かりだけが頼りだ】
こういう時、低光量でも行動が可能な夜目スキル持ちやサイバネアイ持ちは比較的行動が容易といえるだろう。
- 662 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 22:14:27.96 ID:g39cQJDD0
- >>661
「暗いな、極限露出をする以外に使い道が思いつかねー土地だ」
見通しの悪い暗闇に舌打ち。手帳に何かを書く事すら覚束ない。
サイバネアイは暗視モードを備えているが、それも予算削減のために数世代古いもの。鷹の目の様に遠くまで見通すまでは叶わない。
「後どれくらいかかる計算だ?俺暗いところ来ると眠くなっちゃうんだよネ」
わざとらしい欠伸混じりの質問。腕時計を見ようとして、暗視モードでは視界が平時よりも不明瞭なのを思い出してやめた。
こういった世界でのメトロの危険性は知っている。得てして暗闇は良からぬものを引きつけ、底のない暗黒で迎え入れるのだ。
「照明弾でも買っておくんだったな」
- 663 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 22:33:40.31 ID:Q5if+MqPo
- >>662
「いっそ脱いで見るか?スカっとするかもしれんぞ」
と、軽口のひとつも叩いてみる。
地下トンネルもミュータントやレイダーなどの危険が溢れているが、
歴戦ゆえか、適度な緊張感を保ちつつも平静そのものである。
【キィ…キィ…と軋むレール音と足音の残響もあって、黙って歩いていると現実感が朧になりがちだ】
「こ…この世界は既に終末を迎え…我らは神に見捨てられ…(ブツブツ」
もっとも、キャラバンも商人と護衛だけで構成されているわけではない。
ブツブツと終末論者めいた事を言うばかりの半ば正気を失った者も混じっていたりした。
【と、まあ、紆余曲折あれど順調ではあったのだが――】
「このペースなら後30分もあれば…んっ?」
前方を見れば、何やらランプをグルグル回すガード連中が何やら作業をしていた。
「おっと、ストップだ。こっちのゲートなんだが軍(公式の軍ではなく北メトロ同盟の戦力)のキャラバンが足止めくっちまっててな。
すまないが、迂回してこっちの方に進んでくれないか?」
と、言われてしまう。迂回ルートを通った場合、到着まで15分ロスし45分となる。
【なお、これには疑わしき点は全くない。ガードがレイダーに化けていたりとか、こちらをハメようとする意図はゼロだ】
ただ単にたまたまヘタを掴んで、余計な手間をかけさせられることになった。それ以上でも以下でもない。
「………」
が、そんな中、クルトは銃の重みを今一度確かめていた。
たまたまロスが発生する。悪意もなければ何もない。が、長年の経験から良くない事は
大抵このようなパターンから這い出てくるという半ばパラノイアめいた確信からの行動であった。
「仕方ねえな。皆、こっちの路線を通るぞ」
と、キャラバンの仕切り役はそう言葉するのだった。
- 664 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 22:44:02.91 ID:g39cQJDD0
- >>663
「18の時トンネルで脱いで風邪引いた」
冗談なのか本当の事なのかは……秘密だ。
適度な緊張感が心地いい。皆が警戒しているという事は、それだけ自分が手を抜いてもバレないというもの。
ブツブツと何かを言う声を子守唄代わりに、ソーマタージとしての自我は次第に微睡みに近い状態に陥る。
「解読は期待すんなよ。俺のクレイジーとヤツのクレイジーは波長が違う」
「参ったな、文明崩壊後も交通事情で足止めかよ」
ガードの様子を見てブーたれる。見たところ怪しいものはない、普通の作業員だ。却ってそれが恨めしい。
ライトにかざして時計を確認し舌打ち。───それと同時に、ソーマタージは懐の粗製な銃の調子を確かめた。
理由はクルトと同じだ。順調にいかなくなった時、事件は起きるもの。
豆鉄砲程度の粗末なハンドメイド拳銃の他には、補給もままならない刀と匕首のみが頼れる物。溜め息をついて、打って変わって世界への警戒の色を示した。
「トレマーズみたいなの出てこねーだろうな?」
- 665 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 22:53:53.89 ID:Q5if+MqPo
- >>664
結論から言えば、やはりトラブルは起こった。
「GYAAAAAAAA!!」
巨大化したトカゲとしか言いようのないゲッコーの幾つかの群れが
影の隙間から出てきてキャラバンを直撃したのだ。
−−−−−−−−−−−
BANG!BANG!
クルトのハンドガンが正確にゲッコーの一体の頭部を貫く。
キャラバンのあちこちで怒号が飛びかい、駅を目指して前進しつつ交戦と相成った。
しかし護衛もいれば弾丸はたっぷり。切り抜けられない脅威ではない。
【ソーマタージの喉笛をかみ切らんと、銃撃を抜けたゲッコーが跳ねて襲い掛かった】
喧噪と銃声の中、目に見えない何か・・・不快で冷たい何かがキャラバンを覆っていた。
人肉を求めるゲッコーの血走った眼ゆえであろうか。暗闇に誰かに視られているような違和感がソーマタージにもまとわりついた。
しかし、目線を辿れば…何もいないし誰もいない。暗視モードにしても完全な闇である°ュ迫観念めいた錯覚であろうか。
「進め進め進め!」
が、違和感というのは非常にか細い。ゲッコーに襲われているという現実の前にそれを察知できる人間は少ない。
- 666 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 23:05:23.77 ID:g39cQJDD0
- >>665
BANG!BANG!乾いた銃声とマズルフラッシュに彩られ、粗末な弾丸がバラ撒かれる。
幸いに弾はまだまだある。寄せ付けなければいいのだ。
「まあ失敗するよな!」
銃弾を潜り抜け、跳んでくるゲッコーと目が合う。銃を向ける間も、撃つ暇もない。───銃を、だが。
闇に紛れるが如き煌めき!電光石火の速度で動いた手が懐から抜いたのは、彼の持つ武器の一つ。黒い刀身のシンプルなドス・ダガー!
空中で動きを変える事は地を這う生き物には難しい。こちらに食いつく前に、その下顎と脳天を貫こうとアッパーカットじみた刃が暗闇を疾る。
「宇宙忍者は素早いぞ」
「………?」
しかし違和感が一つ、暗すぎるのだ。暗視モードの故障ではない。
感じる視線の向こうには誰もいない。───暗闇に包まれて見えていない?
「……速度上げろ!“何か”、或いは“誰か”がいる!」
煙幕のような視界封じの事を考え、銃声に負けぬよう声を張り上げる!
- 667 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 23:16:58.63 ID:Q5if+MqPo
- >>666
「何かヤバイ…が…!!」
ゲッコーの襲撃は脅威度からすればそれほどでもないが、
持続的に襲い掛かってくるのが厄介であった。
【ドスダガーに頭部切断されたゲッコー死体が地面に転がる。この状況でなければゲッコーステーキ用の肉確保ともいえたが】
「ヒ…ヒィイイイイ…愚か者ども!終末だ!終末が来た!死がやってきた!
こんなところに居られるか!俺はこっちに逃げるぅううう!」
終末論者がパニックを起こしたのか遂にはヒステリーめいた叫びをあげて、
キャラバンを置き去りに連絡口を開けて勝手に離脱してしまった。
【もちろんだが、死亡フラグマシマシの言動もあってこれを引き留めようとする者はゼロであった】
むろん、ソーマタージに言われずともゲッコーをさっさと振り切りたいキャラバンは歩を速め、
トンネルを進んでいく…そして、徐々にゲッコーの襲撃は勢いをなくしていった。
「ギャッ!!」
ソーマタージの幾度目かの刃が走り、ゲッコーを倒した時には、
周囲はより夜がさらにふけたのか深い闇となっていた。光源の頼りない明かりはさらに弱弱しくなっていた。
【やや視界不良発生中(サイバネアイ低光量視野/夜目無効環境発生中)】
「ふう…なんとな乗り切れたな」
キャラバンの中でようやく弛緩した空気が流れ始めた。
- 668 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 23:27:34.14 ID:g39cQJDD0
- >>667
「キリが無えな、ゲッター線でも撒いてみるか」
向かってくるゲッコーには弾丸を、潜り抜けてきたゲッコーには刃を浴びせてこの世から追い払う。
食材確保と喜ぶ余裕はない。圧倒的物量を前にしてそこまで豪胆でいられる者は余程の強者か、ただの気狂いの入った馬鹿だ。
「あ、バカが。ミスト観てねーのか」
逃げ出す終末論者が、せめてゲッコーを誘き寄せる尊い犠牲とならん事を。その程度の価値しかあるまい。
「36……!」
ベットリと血に濡れたドス・ダガー。布で拭ってから鞘に収めれば、とりあえず危機は脱した模様。
辺りを見れば、矢張り変わらぬ闇。パラノイアじみた本能が警鐘を鳴らす。夜の帳を恐れるのは人の性質(サガ)なのか。
「まだだ、気を引き締めておけ。命が助かるかもしれない」
- 669 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 23:38:11.16 ID:Q5if+MqPo
- >>668
「………」
ソーマタージの言葉もあって、一応の警戒を維持していたキャラバンであったが――
「………」
トンネルを進めば進むほど暗くなっていき、光源が殆ど役に立たず、
身体は水の中を歩いているかのように重い動きとなっていく。
「どういうことだろうな」
銃口を暗がりという暗がりにスイッチさせながら最大限の警戒をしていたクルトであったが、
何処に銃口を向けても敵性存在は影も形も見られない。
【キャラバンに随伴しているはずが、もう輪郭すら見えない。キィ…キィ…と進むレールの音だけが頼りだ】
いつの間にか、弛緩した話声は消えていた。が、存在感はある。皆、出口に向けて歩いている。
パニックを起こして消えたのは、先の狂人のみ。襲撃を受けてなお、全員が無事だ。足音も減っていない。
【何かが暗闇の中にいるのを強く感じることだろう。が、そこには何もない。が、すぐ近くにいる。もはや前は殆ど見えない】
【→ナイトビジョン:闇しか見えず。赤外線視野:真っ赤に染まるのみ−あらゆるサイバービジョンが闇のみを映す】
「………」
クルトは警戒しながらも思った。あの狂人が実は正しかったのではないかと。
最悪、キャラバンを見捨てて戻るか?…背後は既に黒い闇しか見えなかった。
- 670 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/16(木) 23:45:18.31 ID:g39cQJDD0
- >>669
「どういう事でしょうね」
肩を竦めてクルトの方──音が聞こえた方向──を向く。その所作が見えているかすら怪しい。
ドブ川の底を進んでいくかのような、まとわりつく闇。自然と身体が重くなる。
先程の狂人、あながち正鵠を射っていたのかもしれない。思えば映画の方も最後に助かったのは宗教家の方だった気がする。
「ロンドールか誰かが最初の火を消しちまったらしい。こう言ってないと、気が滅入るんだよ。許せ」
こんな状況では、銃も刀も危険だ。無手のまま油断なく構え、ある種無心の境地でソーマタージはただ先を行く。
- 671 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 23:54:02.29 ID:Q5if+MqPo
- >>670
トンネル内を走るパイプの亀裂から黒い霧が漏れ出でた。
真っ暗闇の視界なのになぜそれが把握できるのか?その疑問に答えられるものはいない。
「………」
そして、反対路線から振動が響き光が差す、ガトンゴトンと音を立てないままに走る地下鉄が映った。
むろん、メトロを走るマトモな地下鉄車両など一両として存在しないはずである。
【それは何もせずに走り去っていった。窓からは複数の黒い人影が映ったような気がしたがクルトは凝視できなかった。
見てしまえば終わる…という説明できぬ確信によってだ→ソーマタージは過ぎ去る車両を見ますか?】
恐ろしい事に、正体不明の車両が走り去る間際、随伴するキャラバンの姿は見えた。
何が、おそろしいか、走る車両を見たというのにクルト以外、ノーリアクションであったことだ。
【何かがソーマタージにささやきかけたことだろう「こいつらはもう助からない」と】
正体不明の車両が過ぎ去れば、いよいよ闇はその粘土と暗さをどこまでも深くしていく。
上下左右が曖昧となり、サイバネ視界のあらゆるセンサーがフラットラインとなり、
例えようのないとてつもなく気持ちの悪い感触の何かがソーマタージの頬に触れ、しかし何もいない。
【身体が緩慢さを増してゆき、現実感が無くなるのと比例して、
クルトとソーマタージの中である言葉が輪郭を強めていくだろう「そして俺達もおそらくここで死ぬ」と】
戦いならば勝てる。が、これは戦闘ですらないのだ。何に牙を突き立てればよいのだろうか?
【と、ここで視界ゼロのソーマタージの指先にコンと触れたものがある。ドアノブ――トンネルの連絡口】
無心で進むか、この垂らされた糸めいた何かに縋りつくか、の二択だった。
- 672 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:06:00.86 ID:VvuvthhJ0
- >>671
進んでいく内、漏れ出る霧が認識出来た。頭上に浮かぶ黄金の立方体のように。
何故かを考えている精神的余裕は無い。ただただ泥の中を泳ぐように進む。
射し込む光。通り過ぎたのは崩壊したメトロには似つかわしくない、マトモな電車。
サイボーグの動体視力ならば、本気を出せば走る車両に乗る乗客一人一人の顔を、車内広告の文字を捉え、覚える事すら可能だ。だが彼は敢えてそれをしなかった。
異様な恐怖があったからだ。確固たる自我が認識するものではない、脳の機能を直接弄られ、数値を押し上げられたかのような恐怖心───
網膜HUDのコントロールモードを起動。気圧、気温、湿度、マナセンサー、世界線計測、現実値、空間座標───。片隅に表示される数値は、どれもその反応を停止させていた。
頬を舐められたような気がした。数度指先は外し、触った部位には何もない。
頭の中で声がする。だが、ソーマタージはこの時をこそ待っていた。
「騙されねェぜ、黒子気取りよ。 こいつァ引っ掛け問題だ」
何者かは知らないが、それは自分達の死を望んでいる。絶望を焚べて沸き立たせようとしている。───それがどうした!
「たまには、射干玉の中を歩くのも悪くない」
先の見えぬ闇を進む事など慣れている。牙を突き立てる相手の見えぬ戦いなど常である。己の人生がそれに等しいのだから。
指先に当たったドアノブ。握ってその感触を、位置を確かめて放つのは、荒ぶる暴風じみたアルマーダ!行く手を阻む物を吹き飛ばす、この上なく分かりやすい意思表示!
「失せろ。俺の歩く道だ」
- 673 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:13:00.26 ID:hMhrAeBJo
- >>672
バン!と蹴りで開け放たれた連絡通路からはマトモな空気≠ェ漏れ出でた。
「ソーマタージ!!」
クルトの声。が、何処から聞こえるかもう分からない。音だけがする。
「逃げるぞ!」
【クルトは品々が入ったバックハックを捨てた。そして恥も外聞もなくキャラバンを見捨てた】
音、クルトはソーマタージが蹴り開けた連絡通路――活路に最後の力を振り絞って駆け込んだ。
最後の力――自覚すれば恐ろしいほどに疲弊していた自分があったからだろう。
【ソーマタージ…キャラバンを見捨てるか? トレード用の品々が突っ込まれたバックパックをどうするか?】
連絡通路を走って先に進むほど、身体に纏わりついていた緩慢さが消えていく。
そして、連絡通路の後方の闇はまるでこちらを追いかけてくるかのように深く、濃くなっていく。
- 674 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:19:49.43 ID:VvuvthhJ0
- >>673
「しまった、正解だったか?」
流れてくる空気に若干の安堵。クルトに言われるまでもなく、振り返らずに駆け出した!
自分の武器とキャップは手元にある、それだけで十分。欲をかいて深淵に落ちるなぞ、笑い話としては陳腐にすぎる。
クルトに続きただ駆ける!一歩踏み出すごとに身体は軽くなっていき、背後から追いすがる気配を感じる事も叶う。
「コワすぎスタッフでも呼んでこい!」
今はただ、闇から逃れるべく走り続ける。
- 675 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:22:29.30 ID:hMhrAeBJo
- >>674
ソーマタージがバックパックを捨てた時、本来背後で鳴るはずのドサっという音は一切鳴らなかった。
【連絡通路を走り続けて、進行方向上のドアを破って反対側トンネルに飛び込んだその時――】
「アイエエエエエエエ!?狂人!!??」
突然現れた彼等の銃口を向けた人影。それは先程キャラバンを離脱した終末論者に他ならぬ!
実際、いきなり脇から何かが飛び出して来たら、誰だって銃口を向ける。
むしろ、問答無用で撃たれなかっただけ幸運だったろう。
「なななな、何のようだ!なぜこちらに来た!!」
ぶるぶると定まらぬ銃口の奥で、終末論者は叫んだ。
その腰のカンテラの温かな光が越境者達の顔を照らし出す。
【カンテラに照らし出される歴戦の兵士であるはずのクルトの顔は恐怖によってか別人のように憔悴していた】
【そして、連絡通路の奥から真黒い闇はもうこちらを追ってはいない。が、通路の途中で視認不能の闇は滞留したままだった】
- 676 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:34:55.48 ID:VvuvthhJ0
- >>675
闇は何もかもを飲み込む。比喩ではなく本当らしい、荷物の落ちる音もせず、漏らした舌打ちの音すら反響を飲み込み消しかねない。
走り、走り、蹴破ってその先は───
「ゲェーッ狂人!」
大体似たようなリアクションでおったまげた。手刀を突き付けたところで、先程逃げ出した者だと気付いたが。
「……癪だが、お前さんが正しかったらしい。このトンネルは終わりだ」
照らされる顔は、クルトに負けず劣らず壮絶なものだった。
人の身だったら白髪になっていたかも。ボソリと呟き、念のため蹴破ってきた戸を塞ごうと、何か瓦礫とかは無いか探す。
「やれやれ、ああいうのはぬ〜べ〜とかの役目だろ……」
- 677 :アズィルのオルジン ◆xkuCyb6fiI [saga]:2019/05/17(金) 00:36:19.07 ID:hMhrAeBJo
- >>676
しばし瞼を瞬かせていた終末論者もソーマタージの言を聞いて銃を降ろす。
「け、懸命は判断だ。そう、メトロの闇!現世のみならずオヒガンすらもも大崩壊を免れ得ず!
行き場をうしなった霊魂はメトロのパイプを流れ、永劫に絶望をくりかえし、生者を引き摺り込む!!」
返答に気をよくしたのか何なのか、終末論者は突然に奇矯な説法を始めてしまう。
そして――
「ギャアアアアアアアアアアアッ!!」
「アアアアアアアアアッ!!」
「イヤダァアアアアアッ!!」
分厚い壁など無いかの如く、大音量の悲鳴が向こう側から聞こえてくる。
先程、クルトとソーマタージがやっとの事で脱出した闇の中からだ。
「これは!死の川の晩餐よ!我等を取りまくぜぜぜ絶望よ!こうべを垂れよ!ここには救いなどなし」
「――――」
そして、フッと断末魔の叫びは止まった。不自然なまでに突然、スイッチをオフにしたかのように。残響すら残らなかった。
「…彼等が間違えた」
先程まで喚き散らしていた終末論者は突然に平静(賢者モード)を取り戻し、
「つ、ついてきなさい。私といれば闇はそう襲ってこない」
「………」
クルトは震える指に難儀しながらもどうにか葉巻に火をつけ、ソーマタージに顔を向けて頷いている。
- 678 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:36:49.88 ID:hMhrAeBJo
- >>677
//渾身のミス!
- 679 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/17(金) 00:46:30.34 ID:VvuvthhJ0
- >>677
「なあ、お前さんの素晴らしい説法で感涙に咽び泣き足が進まなくなりそうだ。詳しい解説はまたの機会にしてくれ」
どうどうと両手でなだめ、強張った表情を戻そうと難儀する。冗談で言った事だが、本当に霊能力者の領分とは。
聴こえてくる叫びにビクリと肩を震わせ、その方向を向く。くわばらくわばらと唱えて歩き出そうとすると、終末論者が動いた。
「………な?俺とはクレイジーの波長が違う。神聖属性のクレイジーだ」
頷くクルトに肩を竦め、緊張をほぐそうと軽口を叩く。葉巻にライターを伸ばし、若干強張った指で火を点けようとするのだが動かない。よく見ればシャーペンの芯入れだった。
恐怖心を押し殺し、彼に着いて行くだろう。例えそれが崖に向かうレミングが如き死出の旅でも、堂々としている者を先頭にしていれば何とかなりそうだ。
「やっぱり、ミストの主人公はあの宗教ババアだ」
- 680 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/17(金) 00:47:53.93 ID:hMhrAeBJo
- >>679
こうして、九死に一生を得た越境者達は、うさんくさい終末論者と共にトンネルを行く。
同行したキャラバンたちの行方はようとして知れない。
【これはトンネルの闇と遭遇した極めて奇怪なエピソードであった】
//おちまい
- 681 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/20(月) 22:46:40.19 ID:OJ/mVKC7o
- 【にちじょ!!――とあるセーフハウス(占領済み)にて】
イムカ・グリムナーは基本的にあまり眠らない。
どれくらい眠らないかというと一週間は起きっぱで活動可能なくらい眠らない。
偉大なる遺伝種子。神なりし皇帝陛下の遺伝子学的遺産に祝福あれ。
「ZZZZzzzzz」
そして何といえばいいのやら。このボストンのセーフハウスに来るときは
大抵が眠りの周期…いわば珍しくばっちり寝ていることが多い。
何でそうなのか、本人は黙して語らないわけだが。
【あたらしい朝がきたー希望の朝がー】
≪000111111010101≫
サーボスカルが起動する。起動して部屋を一瞥――ナムサン!!
【部屋中に羊皮紙やら脱ぎ捨てた服やらよく分からんレリックやらが散乱!!まさに汚部屋!!】
【→昨日、きっちり片付けたばかりなのである。なのに一日でコレ!!】
で、当の本人はまだぐーすか寝ているわけで、
≪00011111010101≫
サーボスカルはマニュピレイターを伸ばしてやれやれポーズだ。
- 682 :ジョシュア・アーリントン ◆4J0Z/LKX/o [saga]:2019/05/20(月) 23:03:40.96 ID:5paCc1Pz0
- >>681
「ん、んしょ……」
「ふぅ……」
ぐっすりと寝入るイムカの身体の向こうから、ひょいっと小さな手が伸びる。
肋骨の一番下辺りを掴み、そこを手掛かりに彼女の上へと乗り、覆い被さる少女の姿。
少女はそのまま寝心地の良さそうな豊満な胸に頬を埋め、よだれを垂らしながらいびきをかきはじめる。
「くかーっ」
イムカの体細胞とグリードの偶然の融合によって作られた生体兵器であるニュクスは、彼女を母と慕っている。
素体であるイムカ自身も不器用ながらその期待に応えようとしている節があるが。
「…………」
その様子を黙って見守っていたジョシュアだけは、ニュクスの将来に懐疑的な眼差しを向けている。
HEXAの庇護下にある彼女が将来的に越境者にとって大きなリスクにならないか。それが気がかりなのだ。
今となっては無垢な彼女に引き金を引く気も起きないが、初めての邂逅の場、あそこで始末してしまった方が良かったのではないか。
そんな考えさえ頭をよぎることがある。同族たるジョシュアには、彼女から底知れぬなにかを感じるのだ。
もっとも、イムカの方はHEXAからニュクスを引き離すことによってその問題を解決しようとしているようだが。
ジョシュアは二人の隣に腰掛けると、ニュクスの頬とイムカの金糸の髪を撫でようと手を伸ばす。
そのまま何事もなければ暖かな彼の手が二人を撫で、そのままするりと抜けて行くだろう。
数多の命を奪ってきたこの右手で、なにかを守れれば良いが。
- 683 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/20(月) 23:12:59.01 ID:OJ/mVKC7o
- >>682
≪0001111010101≫
せっせと汚部屋を片付けているサーボスカル。羊皮紙は銀河帝国の様々な案件などの処理だ。
基本、政治的には結構綱渡りしているイムカであり、他の越境者と異なり出身世界とのつながりも強い。
散らばったアーティファクトは透明なドクロやら戦旗の切れ端やら年期のはいったロザリオやらまあいろいろだ。
「んむ…」
ジョシュアが絹の如き手触りのイムカの髪を無粋にも撫でていたところ、
寝ぼけた顔でむっくり起きるイムカ。ぼーっとしていて半分寝ている状態である。
「んー…スカル、ブラシだ」
ボーっとしたままのイムカの恰好はなんつーか男もののややサイズの大きいシャツに
ショーツのみという結構何かがアレなアレである。
≪00011111010101≫
せっせと片付けしていたサーボスカルは、ジョシュアのそばまで来ると、
その頭にハリセンを振るいつつ、彼に鼈甲のブラシをポイと投げた。
【いそがしーからお前がやれってことらしい】
【→ハリセンナンデ?内向してウジウジするのはジョシュアの悪い癖だと矯正なのだ!】
- 684 :ジョシュア・アーリントン ◆4J0Z/LKX/o [saga]:2019/05/20(月) 23:26:51.99 ID:5paCc1Pz0
- >>683
「お、オイ……何で俺が……」
「いでッ……いッ、分かった分かった……!」
起き上がったイムカに合わせ、上に乗っていたニュクスがずべべとズリ落ちて情けない格好になる。
ジョシュアはそんなニュクスを拾い上げて寝かし直しながら、差し出された櫛に不服そうな顔を向ける。
スパンと気持ちの良い音を立ててハリセンが再びジョシュアを殴打すれば、彼は観念したようにそれを拾い上げるだろう。
「00101010」
手慣れた動きでイムカの髪に櫛を通し、時折手で触れてしっかりと櫛が通っているかその感触を確かめる。
しかし畏れ多くも彼女の髪にブラシをかけるなど、長いこと生きてきたが初めての試みである。故にジョシュアのテンションはどこかおかしく。
その時の心地のままにジョシュアはサーボスカルを真似て2進数を口走るが、偶然か意図してか、それは生命、宇宙、そして万物についての答えであった。
「んむ……硬ぁい……」
一方その頃、ニュクスはイムカの上からソファへと移され寝心地の変化に気付いたようで。
目を瞑ったままイムカを探して両腕を右往左往させている。あ、積み上げた書類に当たった。崩れた。
- 685 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/20(月) 23:35:47.10 ID:OJ/mVKC7o
- >>684
「うむむ…」
イムカにしては珍しくされるがままというか隙だらけのヒドさうpしているというか、
ボーっとしながら、時折少し気持ちよさそうに目を細めている。
【解説しよう。平常時は結構寝起きがアレなのだアレ】
「んー…スカル、いつもと少し違うな。うむむ」
プラチナブロンドの髪は櫛の通りがとてもよく、
戦場暮らしが長いだろうにキューティクルの祝福でも受けているかのようである。
「ん、変わった手順だったが悪くなかったぞ。あれ、なんでスカルがこっちにいる」
≪000111110101≫
【しばらくするとサーボスカルはボヘーっとしたイムカとお片付けをダイナシにしてくれているニュクスを引っ張って洗面台にゴー!】
なお、顔を洗う+歯を磨くまで全てサーボスカル任せのイムカである。
普段の凛々しいお姿からは想像もできないレベルで生活無能力者ぶり!!
【ひょっとしなくてもサーボスカルいないと生活ままならない!!】
- 686 :ジョシュア・アーリントン ◆4J0Z/LKX/o [saga]:2019/05/20(月) 23:51:50.07 ID:5paCc1Pz0
- >>685
「…………ッ!」
まるで撃たれたあの日の如く胸に走る痛み。ジョシュアはぎゅ、と軽く下唇を噛んでイムカを見つめ固まっていた。
格好といい動作といい、余りに無防備なイムカの姿にさしものジョシュアも少々堪えたようで。
今の彼の胸中では天秤の上でコミッサーに対する忠誠とイムカに対する溢れんばかりの愛情とが拮抗しているようだった。
「…………」
しかしそんな己に喝を入れるべく、運ばれてゆくイムカとニュクスを尻目にジョシュアは拳骨を握りしめ、自らの頬に一発叩き込む。
本気のそれはまるで交通事故のような音と衝撃を伴い、無人のリビングの空気をビリビリと揺らす。
「馬鹿野郎ッ……しっかりしろ、ジョシュア……」
「よし、大丈夫……もう大丈夫だ」
何百人をも屠ってきたその拳で気合いを入れて、シャキッとし直すことに成功。
唇の端から滴る血を拭った後、どかっとソファに腰掛けると物凄い勢いで1911の分解清掃を始めた。
もはや目隠ししていても出来るほどに熟達した一連の所作は、今日に至ってはなおのこと鮮やかで、まるで滑るような手際の良さで行われてゆく。
ボトルシップで鍛えた手先は意外と器用であり、震えぬよう徹底的に訓練された指はこういう時に役立つものだ。
α-12に貰ったボトルシップの隣には、ソーマに撃沈された後新しく組み上げた船がすでに完成され、飾られていた。
- 687 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 00:02:50.50 ID:DLWqYz7lo
- >>686
「…根性無しめ」
顔を洗われながらイムカはぼつりとつぶやく。が、次の瞬間、自分の言葉にハッとなって頭を抱えた。
銃が手元になくてよかった。衝動的に頭蓋骨を撃ち抜いてしまっていたやもしれぬ!!
−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−
−−−−−−−
「おはよう」
洗面所から出て来れば、糊の利いたシャツをバッチリと着こなし、シャキっとしたイムカが現れる。
なお、先ほどまでの醜態は忘れるように。最重要機密だからだ!!
≪000111110101≫
【ニュクスを連れ立ってまたもスカルはやれやれポーズである!】
「ニュクス、朝食だ。大尉はしばらく待っているように」
味に意は無いという信念のイムカであるが、何を血迷ったのかニュクスと何かするためにキッチンに立ったりする。
当人曰く、極めて非効率的な気まぐれが為せるわざだとかなんとか。
「こう、じゃがいもをすりおろすのだ。手間など必要ない」
ジャガイモをすりおろし、鉄板で焼くというお手軽料理なポテトパンケーキ。
好みによってジャガイモは荒く千切りにしたものにしたものでもよい。
【しょっぱい味付けの生地にサワークリームとリンゴソースをそれぞれ添えれば出来上がりだ】
「別に料理が出来ないわけではないのだ。よく誤解されるが。大尉、いつまで銃弄りなどをしている」
待っているようにといっておいてコレである。傍若無人というかごーいんぐまいうぇいというか。
- 688 :ジョシュア・アーリントン ◆4J0Z/LKX/o [saga]:2019/05/21(火) 00:18:15.62 ID:QCTfu2cx0
- >>687
「おはようございます、コミッサー」
いつも通りになって帰ってきたイムカには、あらゆる邪念を消し去ったかのようなさわやか笑顔で対応。
これで良い。ジョシュアも偶にはタガが外れる時もあるが、それが常であることは好まれない。上官と部下とはかくあるべきなのだ。
……などと、女に手が早いとは思えないほど、ジョシュアはイムカに対して奥手な考えを持っていた。
それほどイムカに思い入れがあるか、あるいはこれが彼の本当の姿なのか。真実を知るにはまだ些か尚早である。
「了解、すぐ向かいます」
銃を仕舞うと洗面所へと向かい、手に付着したガンオイルを落として戻ってくる。
すると食卓に用意された朝食が目に映り、ジョシュアは意外そうな表情を浮かべた。
驚いた。イムカが食材を狙った形に切れるとは。ブツ切りにしようとすればみじん切りになるような、豆腐を切ろうとして圧壊させるような女性であるイムカが。
「でもママ、ジャガイモ切れてなかったよ……?」
が、そのカラクリはどうやら同行者にあったようだ。
すっかり流暢に言葉を話すようになったニュクスもまたエプロン姿で料理を運んでいた。
食材を切る工程で難儀したイムカのバックアップに回っていたらしい。同行させられたのはこの時のためだったのだろう。
「じゃ、いただきますしよっ?」
「あー……ついでにジョシュアもね」
- 689 :ジョシュア・アーリントン ◆4J0Z/LKX/o [saga]:2019/05/21(火) 00:20:14.23 ID:QCTfu2cx0
- >>687(追記)
おそらくおろし金による加工も、ジャガイモの粉塵化およびドロッとしたプラズマ化を伴う惨事となったのであろう。
- 690 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 00:33:14.56 ID:DLWqYz7lo
- >>688
「す、すりおろしは問題ないのだ」
斬るという行程はニュクスかサーボスカル任せである。
かくも面白特性は一体なんなのだ?皇帝陛下の(ry
「私は味とかよく分からんがな。工程と投入する調味料等など遵守すれば大概は上手くいく」
よって、NO味見である。よくわからんし。一応分量あってりゃ大丈夫だろ的なアレ。
手先は切るという行為を除いては器用なので無問題。
−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−
−−−−−−−−
【お食事!!】
「で、だ。このように思考実験的な例題として――」
食卓でもジョシュアとニュクスとの話題はいまいち小難しいものになりがちなイムカ。
そも、一般的な食卓とは全く縁がない生涯だったので致し方なし。
【思考実験…
基本的にニュクスにイムカが勝手に行っているカリキュラムは判断力と思考力を養う類が多い。
HEXAは当然として、イムカやジョシュアに対しても過度に判断を委ねる依存的な個性にならぬよう、
自分で物事を考えて、自分なりの好き≠ェ見つけられるように】
(拠りかからねば生きていけないような脆さは大概ロクなことにならん)
が、これはイムカの尺度であり、エリートとしての独立独歩精神が強すぎる彼女自身の哲学のため、
実際に他者にどう作用するかはまったくの別問題であったのだが。
「あと、私はママではないと何度も言っているのだが…」
実際、ニュクスにはさしてそのように接していないと自覚するイムカは、
ため息をつきながらニュクスの髪を鼈甲のブラシでとかしてやりつつ、
「ジョシュア、この恐るべき認識の齟齬の解決法はまだ見つからんのか?」
と、なにやら無茶ぶりするのであった。
- 691 :ジョシュア・アーリントン ◆4J0Z/LKX/o [saga]:2019/05/21(火) 00:53:40.79 ID:QCTfu2cx0
- >>687
「いやァ、キツいですよ……グリードは特性でモノを視ますから」
初めて出会った時より、ニュクスはイムカを母親だと認識している。それは彼女を構成するに至った因子として、イムカの肉片が用いられているからだろう。
つまりニュクスとは、ある意味でイムカのクローンのようなものだ。生物ではないため、生殖ではなく捕食による模倣という形を取ってはいるが。
「逆に言えば、俺もグリードみてェなモンなのに、ニュクスが俺を肉親だと思わないのは……種族が同じだけで、完全な別個体だからでしょう」
「そんだけグリードの個体識別は、完璧だと言えます」
かつてグリードとの戦争に陥った際、個体ごとに独立した役割が与えられていたことを覚えているだろうか。
ジョシュアであれば戦士級、その他にも不定形の捕食級や大型の射手級などのさまざまな役職が存在していた。
ニュクスの素体となったのは高い学習能力を誇り、他の個体にその情報を伝達するグリード・サーバ級である。
各自を構成するグリードは種族こそ同一なれど意識は共有しておらず、ゆえにジョシュアとニュクスにも血筋的な繋がりは一切ないということだ。
「おいしいね、ママ……」
現状として、ニュクスはイムカに母性と父性のどちらをも与えられている。
ともなればイムカは実質的にニュクスの親となり師となり、彼女の発達に最も帰依してきた存在である事に違いない。
だからこそニュクスはイムカを慕っている。それこそイムカによって与えられた自主性がもたらした、彼女なりの好きな生き方なのだろう。
イムカへと向けられる屈託のないその笑顔が、何よりの証。
「まぁ、そのうち分かる時が来ますよ」
「彼女も人間ですから……でしょう…………ですよね?」
遺伝的な繋がり以外にニュクスとイムカを結びつけるものがない、すなわち本来的な意味の親子関係にはないという事実。
それはニュクスの自我が完全に成熟し、イムカの支えが必要なくなった時に自ずと理解できるようになるだろう。
ならば、甘えてくるうちに思い切り甘やかしてやった方がいい。語尾は自信なさげではあるが、ジョシュアはそう考えていた。
//そいではこの辺りで。おつありでしたん!
- 692 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 00:59:08.68 ID:DLWqYz7lo
- >>691
「ネグレクトが関の山と再三言っているのだがな」
と、共同で作ったポテトパンケーキを口に入れ、
やっぱり味がよく分からないままなイムカなのであった。
//おちかりーんノシ
- 693 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 21:45:43.76 ID:DLWqYz7lo
- 【前回までのあらすじ!!】
神話世界エリュシオンにて――
骨休めめいて水の都という風光明媚な都市に訪れた越境者達。
ロクでもないトラブルに巻き込まれてばっかりの彼等をもこの観光都市は暖かく迎えてくれた。
※イムカ曰く、越境者の中にとらぶる吸引機めいた者が混じっておりロクな目に合わず色んな都市に出禁くらっている。
しかして、越境者の宿命といおうか、一見して平和な都市もちょっとした問題を抱えていた。
【タコ害…大量発生したタコのせいで、他の海産物は取れないわ小舟を沈めにかかるわと観光産業大ダメージ!】
越境者にとっては観光協会が苦肉の策でやっているタコフェアのおかげで捨て値のタコでお腹いっぱい食べられたり、
タコ退治で宿代を稼げたりと悪くない環境なのだが、まあそんな感じですごしておりました。
−−−−−−−−−−−
「で、だ。路銀がアブナイな私達はしばらくずーっとタコ食なわけだが」
タコ焼きを食べながらのイムカである。
現在、この都市ではあらゆる海の幸が急騰しており、タコだけが糞安いという状況なのだ。
【観光都市なので宿代も結構高い。馬小屋でも使えば話は別かもだが】
「正直、タコ退治と宿代+食事代でカツカツだな。いつまでたってもまとまった路銀が稼げん」
よーするに、水・食料・乾物を入れるバッグの中身はすっからかんのままだし、
旅用の食器・ランタン・松明などの消耗品もだーいぶアブナイな状況である。
「出禁とタダ働きが続いたのが痛かったな。どうにも金の巡りが悪い」
なお、大半が妙なトラブルに巻き込まれた挙句に物事が大げさに拡大した結果である。
賢明なる越境者の皆さんはイムカを除いた誰のせいなのか考えてみよう。
- 694 :パッパルデッレ [sage]:2019/05/21(火) 21:50:54.06 ID:ZWuJew7D0
- >>693
稲穂色な板状の地面に着きそうな程長い大量の触手っぽくウネる髪に
小麦肌で燃えるような赤い瞳で不敵な笑みを絶やさぬヒトの容をしたモノ
今日はタコを丸ごと茹でてみた。
「二度とこんなことはしないよ」
生き物を自らの手で茹で上げるのはちょっと心に暗雲立ち込めたらしい。
「んまんま」
三秒後には快晴となったが。
- 695 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/21(火) 21:53:47.96 ID:zQLVhB8B0
- >>693
{もうそろそろ肌が赤くなっちまいそうだな」
とはたこ焼きを安物のエールで流し込むソーマタージ。不思議の国出身の彼は、こういった物も平気で食べれる。
消耗品に加え、刀の整備に使う道具だけでも割とバカにならない。皆と同じく、彼も絶賛金欠中。
「鉄腕DASH、もっとマジメに観とくんだったな」
「金は天下の回り物、そんなのは嘘っぱちだ。流れをせき止めてる野郎がどこかにいる。
或いは………単純に、俺らが回しすぎてるか」
チラリとイムカを見ながらの推測。と言うより断定。自分はトラブルメーカーな自覚はあるが、お前程じゃない!と目線で抗議だ。
冗談は置いといて、そろそろ本格的にヤバい。こんな世界でまでワープアなぞ御免だ。
「やっぱさ、誰か金持ちでも襲うか。後腐れ無さそうな奴を」
- 696 :パッパルデッレ [sage]:2019/05/21(火) 22:01:33.17 ID:ZWuJew7D0
- >>695
(後腐れなさそうな金持ち…)
目の前にバラシて売ったら一財産築けそうな義体の塊が居るなあ、と。
蛸をモグモグしつつ見つめるパスタ髪。
思ったことを言わないだけ褒めていいと思う。
- 697 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 22:06:40.29 ID:DLWqYz7lo
- >>694
「素晴らしい適応力だな」
ゆでだこゆでだこ。実際鮮度抜群なので美味い。
やっぱり海産物は素材ありきである!
【金欠病のため結局三食タコになっているこの食生活。美味いけど】
>>695
「この都市は政策は評議会と自治組織が行っているが、
水の信仰とやらのおかげか、評判はいいし闇カネモチの類は居なさそうだ。
君には不都合かもしれないがな」
つまるところ、多少は私腹を肥やしている者もいるかもしれないが、
市井に悪影響を及ぼすレベルの悪漢は見当たらないということだ。
【流石にカネモチという理由だけで襲うのは憚られるってもんで】
−−−−−−−−−−−−−
>>694-695
「問題は、だ。結構平和な街のためかあまりコレといった依頼がないのだよ。
下水道依頼はそれこそ、タコ退治と大差ない報酬しかないしな」
湖で囲まれた水の都。観光にも休息にも持ってこいだったが、路銀稼ぎにはやや難があった。
まあ、骨休めも目的に入っていたからそう焦るほどでもないのだが、
思った以上に収入のアテが無いのはちょっと計算違いだったといったところ。
【腕っぶしがいいからといって、ビンボと無縁という訳ではないというのがキビシー現実であった】
「アテか…一応はアレくらいか?」
冒険者ギルドで唯一大きく貼り出されている依頼書。
現状のタコタコ・クライシスの元凶とされるクラーケン討伐依頼。
多額の報酬が約束されており、コレさえこなせば路銀はバッチリという案件なのだが――
「問題は戦闘フィールドなのだよ。小舟の上でクラーケンと戦うか?まず勝てん」
足場ごと沈められる未来が容易に想像つく。そして水中で水棲生物と戦うなど狂気の沙汰であろう。
「足場が確かなフィールドに持ち込めればやりようはあるのだろうが」
- 698 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/21(火) 22:06:43.82 ID:fN9iJg4q0
- >>693
ジョージ「えぇ・・・」
タコ焼きのタコ部分だけを器用にほじくり出して小麦粉部分だけを食するジョージ
後でタコをイムカに無理やり食わされるまでがセット
ジョージ「t・・・つまり何か違う依頼を受けるということですか?」
タコを喰わされ涙目になりながら質問する
なお実家に帰れば恐らく全越境者の中でもトップクラスの金持ちであることは余談である
- 699 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 22:12:05.39 ID:DLWqYz7lo
- >>698
ナムサン!故郷でカネモチならイムカもそうであるが見よ!
思いっきり金回りの悪い姿を!つまりはそういうことだ!
【口にタコを投入されつつも>>697 へ】
- 700 :パッパルデッレ [sage]:2019/05/21(火) 22:13:21.19 ID:ZWuJew7D0
- >>697
「?…船が駄目なら水中で戦えばいいのに」
イムカが何故揺れる上に囲いに覆われ逃げ場の少ない足場で戦うのを例に出したか分からない様子。
「!……濡れて透け透け?それとも溶ける?」
結果服が如何にかなるんじゃないかと思った。
如何わしいVの見過ぎかも知らんね。
- 701 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/21(火) 22:18:09.66 ID:fN9iJg4q0
- >>697>>699
お口の中にタコを放り込まれて涙目のジョージ
紅茶を飲もうにもここでは緑茶しか出やしねぇ!!
んでまぁこのタコ地獄を脱出できるのなら何とかしたい
ジョージ「・・・。釣るとか?」
精いっぱい考えた結果!!
- 702 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/21(火) 22:18:59.18 ID:zQLVhB8B0
- >>696
「そういう目線は慣れてるから言っておこう。この世界で俺様が売れると思うな」
ファンタジー世界に技術の塊を持ち込んでも仕方あるまい。身体から抽出出来るレアメタルなど知れてるし、そもそも手段も無い。
うねる髪を指差し、カメラに向かってズビシと指を突きつけ忠告。
「触れた物全てが金になる能力持ちのヤツが現れる事を祈ってる方が、有意義だと思うね」
>>697
「ウーム、市井を敵に回すのは避けたいカナ」
義賊が、私刑が許されるのは周りからの許しがあるから。庇い立てする者が大勢いるから。
ただの金持ちを仕留めた程度では、孤立して一生を追われる身となりかねない。それは流石に避けたい。
「都合よく天下一武闘会でも開かれてねーかな。片腕でも優勝出来る程度の」
串に刺したタコ足をもっちゃもっちゃと咀嚼しながらボヤく。腕っぷしが良くても金が得られなければどうしようもない。
示された依頼書を見ると、クラーケン討伐の依頼。あれをこなせば、少なくとも当分は路銀に困るまい。
この珍事も収まり賞賛と金を得られる。完璧な計画と言えよう。どうやって倒すのかという点に目を瞑れば。
「FF14だと、デカい足場を船で引っ張ってもらってたな。
その足場を用意するだけの金とコネと時間と物資があれば、すぐにでも取り掛かれるんだがな」
鼻で笑い一蹴。小舟で戦うなど論外、陸におびき寄せる手段があるなら別だが、それも彼には無い。
「それに一番の問題として、俺泳げねンだなこれが」
水に落ちたら彼は沈んで死ぬ。水に入る事による漏電バッテリーショート電撃ビリビリも、新調したので不可能
- 703 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 22:29:51.60 ID:DLWqYz7lo
- >>700
「泳ぎながら戦えというのか?少なくとも私は確かな足場無しに戦えるほど器用ではない」
不可思議生物の君は別なのかもしれないがと言外に告げつつもため息。
「知らん、そんなこと。何処で覚えた」
そして、本が薄くなる知識についてはジト目で見るばかりなのであった。
>>702
「沈むか。別に水そのものは平気なのだろうが」
底の底まで沈んで戦えといっても論外であろう。
天下一武闘会もやってないし、デカイ足場というのもどうにも、である。
【そして、ウームと考えていたところ、なんとジョージから恐るべき提案が!】
>>701
「ん?」
セバスチャンの淹れた緑茶(紅茶と淹れ方違うけど味わいどうよ?)を飲んでいたイムカだが、
ジョージの提案を聞いた瞬間、ピコーン☆とひらめきマーク点灯!
「たしか、男の君にタコが妙に群がっていたな――余計なことをひらめいたぞ!!!」
声高らかにイムカは宣言した。イムカの将校スキルが打開策を見出した瞬間である!!!
−−−−−−−−−−−−−−−
>>700-702
【クラーケン討伐!!】
「と、言う訳でデカいビズになる。何せクラーケン相手だ。この街の冒険者も集めてきた。
人手もいるが、依頼料が依頼料だ。十分な稼ぎにはなる」
ロープでグルグル巻きにされたジョージorソーマタージ。あるいはその両方に説明中!!
協力者魔術師は息継ぎの魔術をぴろぴろぴーして、水死せぬようにエンチャント!
「作戦は単純だ。フィッシングだな。クラーケンを釣って地上戦闘に持ち込む。
パッパルデッレ、綱引きみたいなものだが準備は万端か」
【ソーマタージは恨むならジョージを恨むのだ(決断的な責任転嫁】
【→準備が完了すれば、ロープグルグル巻きのどっちかあるいは両方は無慈悲に湖に投げ込まれるだろう】
- 704 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/21(火) 22:36:04.48 ID:fN9iJg4q0
- >>703
老執事セバスチャンは完璧な執事である
低温でじっくり抽出した玉露は薫り高く旨みもしっかり出し切った素晴らしい出来であったと明記しておこう
なお白磁のティーポットとカップでそれをやってのけている
ジョージ「ッ!!」
イムカの頭上に灯るひらめきマーク それを見た瞬間席を立ちしめやかに闘争重点
〜それからどうした〜
ジョージ「いやだー死にたくないー!!」
ジッタンバッタンと暴れる簀巻き紳士 逃走は失敗に終わる
ジョージ「セバスチャン!! 縄を切るナイフを セバスチャン!?」
必死に老執事の名を呼ぶジョージであるが 先ほど茶渋を取りに行くと越境したまま老執事が帰ってこない
ジョージ「セバスチャァァァあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
どぼちょんと湖に投下完了
- 705 :パッパルデッレ [sage]:2019/05/21(火) 22:37:57.17 ID:ZWuJew7D0
- >>703
「ほう?」
いまいちヒトが水中で自在に動けないことを理解していない様子。
生まれて間もないからね、仕方ないね。
後如何わしい知識はどこで覚えたのか本人にも覚えがない。
誕生時の余計なモノ以外に異物混入してたんじゃないか疑惑。
−−−
「綱引き、それは足腰のガチンコバトル。泥船に乗った気分でヨーソロー」
不敵な笑みを絶やさぬパスタ娘。
既に髪の毛を総動員し馬力だけなら参加者上位を狙える勢いである。
ジョージやソーマタージの処遇については一切気にしていない、薄情!!
- 706 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/21(火) 22:42:29.22 ID:zQLVhB8B0
- >>703
「まーな。風呂には入れるようになったけど、脚が付かないトコはダメだな」
昔のGTAの主人公みたいなもんだ。と付け足し、お代わりのタコ足に手を伸ばしていると、何やら閃いたらしい。
話を聞かせてもらおうと足を組み、ふんぞり返った。何か嫌な旗が立った気がした。
「俺設定だと一応100kgオーバーよ?ガトリング銃より重いんだぞ?
水に入れるなら、そっちのナイスガイの方がいいだろ。水好きそうな顔してるし」
必死の説得!泳げる泳げない以前に、釣り餌など御免被る!人の尊厳を捨ててまで金にありつこうとは思わぬ!
CHR9(自称)の嘘八百口八丁で考え直す様に嘆願するのだった。ダメなら?その時はその時だ。
「俺の身体は水溶性の発がん物質とアスベストと放射性物質を表面加工に使ってて、
人工臓器にはバルビツール酸系の溶剤とテトロドトキシンとシアン化合物が含まれているんだぞ!やめろ!」
- 707 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 22:49:28.18 ID:DLWqYz7lo
- >>703-705
【水の都−観光協会の方に扮した何かからのありがたい説明!】
「ええ、はい。確かに最近発生しているタコの性質から見ても確かな作戦デス。
ここのタコはレベルの高い益荒男に惹かれる傾向あるっぽいデス。HENTAIデス。
そして、又=サンとワトソン=サンなら…げふん、お仲間なら実際条件OK」
【善意の第三者のお墨つきもいただいたところでレッツゴー!!】
【→おら、ソーマタージも保証付きなので沈むんだYO!】
−−−−−−−
まー、実際、ソーマタージのおかげで沈む沈む。重りとか余計なモノ要らないという完璧な組み合わせであった。
無慈悲に二人まとめてどぼちょん!!
【しばらくは、ごぼぼぼぼ〜っと沈む。見る見るうちに太陽光線届かぬ推進になって暗ーくなってきて】
≪だってんです≫
底のほうから巨大な影が筋骨たくましき偉丈夫を見つけて反応!巨木の如き触手を伸ばす!!
【上着、スボン、下着の順で脱がしにかかります!(ダメージは任意)。よーするに海上にあがった時どれだけアレな姿ってこった!】
【なお、反撃しすぎると釣り状態が解除されてしまうので塩梅がとってもムズカシー!!】
「パッパルデッレ…来たぞ!」
ブイが思いっきり反応し、エモノがかかった事を知らせる!勇気ある二人の益荒男に敬礼!
ぶっとい縄をいかなる手段をもってしても引っ張り上げて二人の献身(強制)に応えねばならぬ!!
【パッパルデッレにリポ〇タンDを渡しつつもイムカと他の冒険者の皆さんも綱引き全力!】
- 708 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/21(火) 22:58:17.05 ID:zQLVhB8B0
- >>707
「DEATH!!」
ガッデム!的なノリで呪詛の言葉を残しダイブ!祝詞を逆に唱えようとも思ったが間に合わなかった。
ともあれゴボゴボと沈んでいくが、息継ぎの秘術のお陰で溺死する事は無かった。そこだけは幸い。
「海底二万マイルって読んだ事ある? ふしぎの海のナディアでもいいよ」
沈みながらジョージにうんざりしたような雑談。そろそろ暗くなってきたかな?って頃にそれは現れた。
奇妙な鳴き声(?)と共に迫りくる触腕!ガボゴボと口から空気を吐き出しながら、身体をよじってブイを揺らす!
「脱がす相手を間違えてんだろうが!」
コートとシャツをビリビリにされ、スラックスを引き抜かれる。ブーツがすっぽ抜ける。高かっただけあり重いそれらは、あっという間に海の底へ。
肌着に下着だけという無惨無惨な姿で、これ以上は規約的にもマズいと抵抗。迫る触腕を蹴っ飛ばし、綱が解けるかどうかというギリギリで凌ぐ!
「何という日だ!」
海底では、あなたの悲鳴は誰にも届かない。
- 709 :パッパルデッレ [sage]:2019/05/21(火) 23:00:00.69 ID:ZWuJew7D0
- >>707
「私知ってる。こういう時は『ソイヤ!』と掛け声出しながら引っ張れば…釣れるッ!」
ぶわ、と弾ける様に髪が広がり縄に絡みつく。
そして当の本人も何故かサラシに褌姿。
羽織の背中にゃデカデカと大漁祈願と記されている。
皆の頼れる守護神見習いは形から入る!
汗は飛沫となり、漢達の歴史として染み落ちる。
比類なき肉弾。雄叫びは海を割り、轟く衝撃は彼方へと届く。
褌締めて面舵いっぱい 漢 此処に咲けッ!!
- 710 :かぶり ◆7o2VmDCU/gqh [sage saga]:2019/05/21(火) 23:04:37.19 ID:fN9iJg4q0
- >>707
ジョージ「タコは嫌だ タコは嫌だ タコは嫌だ」
涙目になりながら湖の中を沈んでいくジョージ
と いやーな声を聴いてしまう あの忌々しきタコの声
ジョージ「いやだぁぁぁぁぁやめろぉぉぉぉぉこっちにくるなぁぁぁぁぁ!!!!」
ガチ泣きでフル抵抗を試みるジョージであったが 残念 打撃はクラーケンに効かない
〜それからどうした〜
アレがいろいろどうなって 陸に上がるクラーケンと男2人
そして見よ 引き締まった体と 燦然と輝く白いブリーフ一丁のジョージ・ド・ウィッカムの姿を
最後の砦は守り切った それ以外は・・・ナムサン
なお史実の産業革命頃の下着はユニオンスーツと呼ばれる上下がつながったステテコの様な代物であり
ここでは面白くないのでブリーフと相成ったのは秘密だ
- 711 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555 [saga]:2019/05/21(火) 23:10:51.69 ID:DLWqYz7lo
- >>709
「我々は性別:女のはずなのだが…」
何故か漢の世界のど真ん中で漢咲きやらかすことになった
イムカとパッパルデッレである。激しい女子力の欠乏を感じる!!!
「が、何にしても二人がシリアスなピンチになる前に釣り上げねばな!」
と、水着の上にTシャツというこれまたフェチズムに溢れた恰好のイムカは、
ガントレットのパワーアシストにより、両腕から紫電を発しつつ最大出力!エンヤコーラ!!
−−−−−−−−−−−
>>708-710
≪だってんです♪≫
ソーマタージのブーツを触手の一本の先端につけてご満悦なクラーケン。
越境者達の鍛えられ、引き締まった筋肉の軋みが発する熱いソウルにさらに服を脱がしにかかる!
目指すはむろん、葛飾北斎のエロ絵のような光景だ!!!が、その時――!!
【バシャーン!!と遂に釣り上げられる二人とクラーケン!勢いあまって大分上空に跳ね上がったがソレはソレ!!】
≪00000111110101≫
サーボスカルは奥ゆかしくソーマタージとジョージを撮影!!
≪だってんです≫
ビターン!と、海岸まで打ち上げられたクラーケン!戦闘開始である!!
「「「「はいだらー!」」」」
さっそくモブ冒険者達が銛やら魔術やら放つが、ボヨンポヨンとクラーケンに弾かれている。
≪だってんです!≫
そして、モノスゲー勢いでタコ脚が繰り出されていろいろ吹き飛んでいく!
もちろん、その攻撃レンジには越境者全員も含まれている!
【タコ脚乱舞…全体攻撃/物理攻撃:多数のタコ脚がすごい勢いで海岸を蹂躙中!】
- 712 :パッパルデッレ [sage]:2019/05/21(火) 23:21:29.87 ID:ZWuJew7D0
- >>711
「知ってる、私達は漢女だッ!!」
繰り出されるタコ脚に真正面からぶちかますは、
寄り集まり肥大化した髪の毛による巨大な拳での正拳突き。
「ソイヤ嗚呼ぁぁぁぁぁああああああああああ!!!」
打撃技に然程の効果がないのは知っている。
だがあえて繰り出したこの一撃は周囲の被害を減らしヘイトを自身に向けるためのものである!
テンション上がっているのか思考は見事なまでの快男児。
女子力の欠乏は…まあ、うん、まだ生まれて間もないから
- 713 :ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU [saga]:2019/05/21(火) 23:21:34.03 ID:zQLVhB8B0
- >>711
「フェミニストの屁理屈みたいな世界観やめろ!」
鉄体ぬらぬらな事を一瞬想像し、勝手に身の毛もよだつ思いとなる。見るのはまだしも自分がやられるのはノーサンキュー。
なんかどっかで見た事あるような気配に打ち震えていると身体が持ち上がり、次の瞬間には水飛沫と共に照りつく太陽に焼かれる!
「イターイ」
着地をミスったがそこはご愛敬。
「しゃらくせえ!プランBでいくぞ!」
十把一絡げに吹き渡場されるモブ達。不甲斐なし! 軽く跳ねながら頭をトントンして水を追い出せば、濡れた髪を掻き上げて駆ける。
「中身に直でダメージを与える!」
弾かれるなら、中身を潰すが如き勢いで叩けばいい。脳筋極まりない作戦で走るのは、ノースリーブの肌着とトランクス姿の、水も滴る逞しいサイボーグ。
どの道接近戦に持ち込まねば、あの触腕にヤられる。障害物走めいて跳んで、滑って、走る!
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