51:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:16:15.65 ID:qLtFNzxBO
「ありがとうございます…」
全身ずぶ濡れのドブネズミ状態だった少女を家に入れ、タオルを放り投げる。
不法占拠の現行犯だった少女がお願いします殺さないでください、と泣き落としを図ったので、しばくにしばけなかったのだ。
もしその時に少女が殺意を出していたなら、その顔面に拳がめり込んでいただろう。
52:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:17:59.47 ID:qGG5smjnO
「い、家に入れてくれた上にこんなに美味しい物まで…。ありがとうございます…ずずっ」
ずびずびと鼻を鳴らす少女は明らかに風邪を引いていた。頬も真っ赤であり、若干涙目になっている。
もしかしたら、風邪を引いているから馬鹿舌になっているのかもしれない。そうであってほしい。ステラは切実にそう思った。
53:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:18:37.32 ID:gc/EiWXwO
「ぐえっ!?」
加速魔法で背後に回ったステラは隠し持っていたナイフを奪い、そのまま地面に組み伏せる。
そして、首元に刃先を当てた。体格差のある相手だ。負ける道理はない。
空腹で力の出ない子供相手に大人気ないかもしれないが、少女が実力行使に出ようとしたのは事実である。
54:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:19:19.63 ID:ooz0TknnO
多少平静を取り戻したのか、少女は椅子にちょこんと座っている。その視線は怯えきっているが。
何故自分が極悪人みたいな扱いを受けているのか。心中で神にありったけの呪詛をぶち撒け、何があってあんなところにいたのか、とステラは質問した。
「…そ、その…。私の魔法は、ですね。色々な物を生み出せるんです。雪、とか。砂糖、とか。…あと、宝石やお薬も、です」
55:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:19:58.34 ID:QySWgU/zO
さて、ネージュの事情が解ったところでどうするか。ステラは頭を悩ませる。
ぶっちゃけ、ネージュを衛兵に引き渡してしょっ引くのは簡単なことだ。不法占拠していたのは事実なのだから、言い逃れはできまい。
だが、ここまで踏んだり蹴ったりな目に遭わせるのは流石に気が引けるものだ。
天涯孤独の身となった子供の末路など想像に難くない。自分のように大成するのは奇跡的としか言いようがないほどにレアケースなのだ。
56:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:20:38.15 ID:AQNolG30O
ステラは徐に、一枚の書類を取り出した。魔力の込められたインクで書かれたそれは、【魔道の契約書】と呼ばれる物だ。
魔法使いが眷属との間に交わす契約魔法。それをより簡単に、誰とでも交わせるようにした物である。お値段は一枚1万コル。
従業員に夜逃げを繰り返された商人が痺れを切らし、親友に土下座して作ってもらったのが始まりとされる。
契約そのものに強制力は無いが、不履行した場合はペナルティで大変なことになる。人によっては普通に死んだりするので、結果的に契約を強制させている。
ステラが予め記入している内容は以下の通り。
57:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:21:40.20 ID:HVwrveoKO
「な、なんで私をそんなに助けてくれるんですか!?何が狙いなんですっ!?」
何が狙いだと訊かれても。店を開けようにも従業員が一人もいなくて困っているのだ。
一人分の採用の手間が省けるのだからやらない手は無い。彼女の力に頼らなくても金なんて働けばいくらでも稼げる。
まさか自分が変なことでもさせようと思っているのだろうか。契約内容にも記した通り、そんなことをしたらペナルティ待ったなしなのだが。
58:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:22:38.55 ID:HVwrveoKO
「………」
そんなにじっと見られてもこちらが困る。これ以上何を質問されても答えは変わらない。いくら疑ったところで徒労に終わると思うが。
じっとりとした視線を向けること数秒。諦めたのか。それとも、踏ん切りが付いたのか。
ネージュはたどたどしい字で自分の名前を書いた。
59:名無しNIPPER[sage]
2024/02/26(月) 07:33:43.47 ID:xGtNi7WDO
乙です
60:名無しNIPPER[sage]
2024/02/26(月) 09:18:02.74 ID:d5X025kao
おつ
ネージュこいつ意外と強かだな?
61:名無しNIPPER[saga]
2024/02/27(火) 20:36:05.47 ID:6zZX8g65O
書き溜めた分を投下します。他二人の加入はもう少しお待ちください。
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