55:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:19:58.34 ID:QySWgU/zO
さて、ネージュの事情が解ったところでどうするか。ステラは頭を悩ませる。
ぶっちゃけ、ネージュを衛兵に引き渡してしょっ引くのは簡単なことだ。不法占拠していたのは事実なのだから、言い逃れはできまい。
だが、ここまで踏んだり蹴ったりな目に遭わせるのは流石に気が引けるものだ。
天涯孤独の身となった子供の末路など想像に難くない。自分のように大成するのは奇跡的としか言いようがないほどにレアケースなのだ。
行き場を無くした孤児が裏稼業に手を出し、使い潰されるのは珍しくないことだ。組織の尻尾切りに使われることだったよくある。
彼女も好き好んでこんなことをしているわけではないだろう。寄る辺が無いから仕方なくやっているわけであり、彼女がその気なら薬物を売り捌いて巨万の富を築くことだってできるはずだ。十中八九そうなる前に、マフィア連中に利用されて飼い殺しにされる哀れな末路を辿るだろうが。
面倒くさいことになったと、ステラは小さく笑う。とんだ厄ネタを掴まされたものだ。あの時無視して外郭区に行ってりゃよかった。
だが、まあ。首を突っ込んでしまったのは自分だ。自分がしでかしたことは自分でケリを付けるしかあるまい。それが大人というものだ。
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