剣聖が鍛冶屋を営むようです
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54:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:19:19.63 ID:ooz0TknnO
多少平静を取り戻したのか、少女は椅子にちょこんと座っている。その視線は怯えきっているが。
何故自分が極悪人みたいな扱いを受けているのか。心中で神にありったけの呪詛をぶち撒け、何があってあんなところにいたのか、とステラは質問した。

「…そ、その…。私の魔法は、ですね。色々な物を生み出せるんです。雪、とか。砂糖、とか。…あと、宝石やお薬も、です」

なるほど。それは面白い魔法だ。魔法の知見が深い人が聞いたら飛びつくだろう。

「わ、私は…。お母さんと二人で、他の街に住んでたんです…。でも、この魔法を知った悪い人に、襲われて。逃げて。それから…」

「…お母さんが、殺され、ちゃって…」

ネージュと名乗った少女は、俯いたまま涙ながらに語る。言葉の端々が震えており、鼻を啜る音も聞こえてきた。

だいたい事情は解った。ステラはネージュに一本の瓶を渡す。
これは魔法使いが服用するポーションで、精神安定の効能があるハーブが含まれている。
連戦で消耗した魔法使いが集中するために服用する物なのだが、三徹して頭がおかしくなった作家や小説家が冷静になろうと手を出すくらいにはちゃんと効果がある。

ネージュは栓を開け、一息にポーションを飲み干した。薬品臭い変な味だが、頑張って耐えたようだ。
瓶を返却したネージュが、申し訳なさそうに頭を下げる。
紆余曲折あったとはいえ、こうなったのは自分が原因だ。気にすることはないと、ステラは首を振る。


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