53:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:18:37.32 ID:gc/EiWXwO
「ぐえっ!?」
加速魔法で背後に回ったステラは隠し持っていたナイフを奪い、そのまま地面に組み伏せる。
そして、首元に刃先を当てた。体格差のある相手だ。負ける道理はない。
空腹で力の出ない子供相手に大人気ないかもしれないが、少女が実力行使に出ようとしたのは事実である。
訴えるなら訴えてみやがれ。勝訴するのはこちらじゃい。と、ステラは鼻を鳴らした。
「私が…悪かったです…力、緩めてえ…ひぐ…ごめんなさい…ごめんなさいぃ…」
泣きが入り完全に戦意を喪失したところで、ステラは少女を解放する。
別に殺すつもりなどさらさら無かったステラとしては、泣かれるとは思ってなかったのだ。実際、ステラは殺意や敵意を欠片も抱いていなかった。ただ敵意に反射的に動いただけだ。
ステラは当初、少女が家裏に居た理由などを聞き取って、警告なりで済ませようとするつもりだった。
のだが、明らかに状況が悪化している。どうしてこうなったと、ステラは天を仰ぐも天井しか見えないし、少女はガチ泣きしている。
どうしようもないので少女が泣き止むまで待つことにしたが、少女が泣き止む頃には雨が上がっていた。
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