52:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:17:59.47 ID:qGG5smjnO
「い、家に入れてくれた上にこんなに美味しい物まで…。ありがとうございます…ずずっ」
ずびずびと鼻を鳴らす少女は明らかに風邪を引いていた。頬も真っ赤であり、若干涙目になっている。
もしかしたら、風邪を引いているから馬鹿舌になっているのかもしれない。そうであってほしい。ステラは切実にそう思った。
「か、重ね重ねすみません…ずる。お水をもう一杯だけ…ずび、ください」
少女の懇願を蹴るのは簡単だがこれでヤケを起こして暴れられても困る。第一、ステラはそこまで畜生ではないのでそんな考えは持っていない。
水くらいならいくらでも飲め、とコップに水を汲み、少女の前に置いた。
少女はぺこぺこと頭を下げ、掌の白い粉を舐めて水を一気飲みする。つい先ほどまで掌には何も無かったはずだが気のせいだろうか。
「ご迷惑をお掛けしました。わ、私はこれで失礼するのでどうか、通報だけはしないでください。…その、これはお礼です。差し上げますので、見逃してください」
少女がおずおずとポケットから差し出したのは数個のパール。光に当てて注視するが、いずれも本物のように見える。
「ど、どれも本物です。お店で売ればそれなりの値段になるかと…」
なるだろう。内陸部ではまず手に入らない宝石だ。価値は相応にある。
しかし、何故そのような物を持っているのか。ステラは怪訝な視線を少女に向けた。
「…や、やっぱりそうなりますよね…」
怯える少女から感じ取れる僅かな敵意。それを感知した瞬間、身体は動いていた。
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