剣聖が鍛冶屋を営むようです
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51:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:16:15.65 ID:qLtFNzxBO
「ありがとうございます…」

全身ずぶ濡れのドブネズミ状態だった少女を家に入れ、タオルを放り投げる。
不法占拠の現行犯だった少女がお願いします殺さないでください、と泣き落としを図ったので、しばくにしばけなかったのだ。
もしその時に少女が殺意を出していたなら、その顔面に拳がめり込んでいただろう。

これではどちらが悪者か分かったものではない、とステラは辟易し、家の中で暖を取らせていた。

以上が事の顛末だ。本人はお情けを与えているつもりなのだが、傍目から見れば、犯罪者は間違いなくステラの方である。いいことをしているはずなのに解せない。

朝飯の残りを温め直し、少女に押し付ける。たまたまそういう気分だったので料理をしたのだが、うろ覚えのレシピ通りに作って失敗した物が少し残っていたのだ。
味の方はと言うと、食えなくはないが食いたくない、というレベルのもの。つまり不味い。
数年前に本屋で立ち読みした料理本のレシピが記憶に残っていたのだが、ガバガバでスカスカだった記憶を頼りに作った結果がこれだ。
元々昼飯に仕方なく食べる予定だったのだが、処分する手間が省けたのでこちらとしても大助かりである。

「わっ…これ、おいしい…」

だと言うのに、少女は美味そうに失敗作を食べていた。これにはステラも戦慄を覚えずにはいられなかった。
こんな物を美味いと感じるとは余程大変な食生活だったようだ。もしくは頭がパーになっているのか。
あんなとこに居た上に、みすぼらしい格好をしているのでおそらく前者なのだろうが。浮浪者と見て間違いないだろう。


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