クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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26:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:20:02.62 ID:cnVE/bAzO
「ねえねえ、山田」
「なに?」
「田中、朝から元気ないね」
佐竹に肩を叩かれそう囁かれてから田中のほうを見ると、奴は机に突っ伏して寝ていた。
27:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:22:50.11 ID:cnVE/bAzO
「田中。おい、田中」
机に突っ伏している田中のつむじを見下ろすとふわふわの髪の毛を鷲掴んでやりたい衝動に駆られたが、ぐっとこらえて肩を揺する。
「ん……なんだ、山田か」
28:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:28:16.84 ID:cnVE/bAzO
「有栖川さん、もう放課後だよ」
「ほっとけ、そんな意気地なし」
結局田中は早退して、それから今度は有栖川が机に突っ伏していた。その態度にもイライラする。もっと強いやつだと思ってたのに。
29:名無しNIPPER[sage saga]
2023/11/12(日) 02:30:31.97 ID:cnVE/bAzO
「どう? 美味しい? 有栖川さん」
「うん……美味しい。ありがとう、佐竹」
結論から言って、パフェは変わらず美味かった。これはきっとこの店のパフェの美味さが上限突破してるからに違いない。ていうか。
30:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:33:52.06 ID:cnVE/bAzO
「山田と話したかったのもそのことについてで、モヤモヤしたままだと寝れなくなりそうだったからちょっと聞いて欲しいんだけど」
そう前置きしてから、有栖川は吐き出した。
「まずは田中に触るのをやめて欲しい件」
31:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:36:08.83 ID:cnVE/bAzO
「パフェ美味しかった。今度また、誘ってくれたら嬉しい。それじゃあ、また明日」
言いたい放題言って有栖川は帰っていった。
すっきりした顔だったので今夜は熟睡出来るだろう。あたしはどうだ。寝つけるのかな。
32:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:43:47.99 ID:cnVE/bAzO
「そもそもあんなデカ女よりもあたしのほうがかわいい。メスガキだろうと勝ちは勝ち」
「はいはい良かったね。かわいいかわいい」
「てか佐竹。あんたはとしてはどうなん?」
「んー? なにが? なーんのことかなー?」
「"学校いちの美少女"のあんたとしてはさ」
33:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:09:37.88 ID:N7O5Yt45O
「はい、はい……いつもお世話になっております。調査報告書の件、承りました。事実関係の確認と精査の上、折り返し今後の調整についてご相談させて頂きたく……はい、よろしくお願いします。では、失礼いたします」
お初にお目にかかります。有栖川家で使用人をしているカヤと申します。以後、お見知りおきを。先程、お嬢様の通う学校に放った密偵から報告書が届きました。まるで監視しているかのようで心苦しいのですが、有栖川家の次の当主が再び停学の憂き目に遭わぬようお嬢様の身に降りかかる火の粉は排除せねばなりません。だからこれは仕方ないのです。
「ただいまー」
34:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:11:54.02 ID:N7O5Yt45O
「うーす。来たよ、お嬢」
「ん。待ってた。お疲れ様」
最低限の礼儀を守ってノックするもお嬢は色気のないジャージ姿で出迎えた。まあ、いいんだけどね。でも本当にいいんだろうかね。
35:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:14:36.14 ID:N7O5Yt45O
「てか、そもそもその子は本当にお嬢のことが好きなのかね? ちゃんと告白されたん?」
「や。そういうの……なんか恥ずかしいし」
かーアホか。ウブすぎて酒がうめぇ。畜生。
36:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:16:55.82 ID:N7O5Yt45O
「お嬢の話を聞く限り、その山田って子には田中ちゃんに対する恋愛感情は無さそうだからひとまず浮気される心配はないと思うよ」
ただどうもおかしい。佐竹が山田をけしかけた理由はなんだ。てめーが田中を介抱すりゃ済んだ話だ。わざわざ山田をお嬢に接近させて、お嬢の至らない点を指摘させた。ある種の信頼関係を築いた。となるとその狙いは。
「まあ、お嬢にタメ張れるような奴が現れたことは良かったと思うね。また入学したての時のように暴走されたらこっちも大変だし」
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