クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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27:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:22:50.11 ID:cnVE/bAzO
「田中。おい、田中」

机に突っ伏している田中のつむじを見下ろすとふわふわの髪の毛を鷲掴んでやりたい衝動に駆られたが、ぐっとこらえて肩を揺する。

「ん……なんだ、山田か」

なんだとはなんだ。やっぱこいつは嫌いだ。

「僕、眠いからそっとしといて」

また机に突っ伏す前に手の甲で頬に触れる。

「冷た。やめてよ。山田は手も心も冷たい」
「黙れ。熱があんなら帰りな」
「……熱なんかないよ」

いや絶対あるね。熱いし。机に散乱している勉強道具を横に引っかけてある鞄に詰める。何してるかって? 強制退去に決まっている。

「ほら、さっさと帰れ」
「酷いや……イジメだ」

寝言を抜かしながら席を立った田中に、鞄を手渡す。そこで田中の背中に手を置いて支えてる自分に嫌気が差して、有栖川を睨んだ。

「有栖川、あんたのツレでしょ」
「あ……うん。でも田中は大丈夫って……」
「大丈夫じゃないことくらい見抜け」
「……ごめん」

有栖川が怯んでいた。てか、まさかこいつ。

「はあ? 嫉妬してる場合?」
「っ……嫉妬なんて」
「有栖川って、やっぱり大したことないな」

吐き捨てるも応答がない。佐竹が仲介する。

「はいはい。喧嘩はそこまで。有栖川さん、田中をさっさと保健室まで送っていって」
「ん……わかった……いこ、田中」

有栖川に手を引かれた田中がこちらを睨み。

「……有栖川は悪くない」

いいや悪いね。佐竹と同じくらい悪い奴だ。


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