クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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36:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:16:55.82 ID:N7O5Yt45O
「お嬢の話を聞く限り、その山田って子には田中ちゃんに対する恋愛感情は無さそうだからひとまず浮気される心配はないと思うよ」
ただどうもおかしい。佐竹が山田をけしかけた理由はなんだ。てめーが田中を介抱すりゃ済んだ話だ。わざわざ山田をお嬢に接近させて、お嬢の至らない点を指摘させた。ある種の信頼関係を築いた。となるとその狙いは。
「まあ、お嬢にタメ張れるような奴が現れたことは良かったと思うね。また入学したての時のように暴走されたらこっちも大変だし」
「わ、若気の至りだから……反省してるし」
山田の有能さを有栖川家に認識させることで無礼な態度には目を瞑ってくださいってか?
見え透いてんだよ。所詮はガキの浅知恵か。
まあ、いいぜ。ある程度は見逃してやるさ。
もちろん、度が過ぎたら、そこで仕舞いだ。
せいぜいてめーが手綱を握って踏ん張れや。
「それにお嬢を含めてその面子で行動している限り、余計な虫がつくのを防げるでしょ。当面は浮気に関しちゃ心配する必要はない」
「そうか! それなら安心だ! あー良かった」
「でも、だからって気を抜くなよお嬢。今の関係性はかなり不安定だ。はっきりしとけ」
「そっか……わかった。はっきりさせとく」
あと、はっきりしないのは田中の有能さだ。
「ちなみにこれは気の早い話だけど、その子は旦那様に気に入られるくらい優秀なん?」
「そう言われると困るな……優秀なのかな」
報告書を読んだ限り成績は並。顔が良くて歌も上手いらしいからどっかの事務所にでも入れば売れるかもしれないがそれだと弱いな。
「いっそのこと使用人にでも雇ったら?」
「え? なにそれ。そんなこと可能なの?」
「いや、流石に仕事に私情を挟まれると困るから旦那様付きの秘書にでもどうかなって」
そこで有能さを見せつける。完璧な作戦だ。
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